2014年5月8日木曜日

猪肉・岡山県高梁市備中町(2014年)

本日も、ご依頼のありました食品の測定結果についてです。
食品名は、「猪肉」
産地は、「岡山県高梁市備中町」
製造者及び販売者は、「地元の猟師」

岡山県に野生で生息する猟師の方が捕獲してきた野生の猪の肉です。
猪は野生のキノコ類を好んで食べますので、セシウム137が検出されやすいと言われております。
なお、今回はご依頼者の方より許可を頂いてスペクトルを公開とさせていただきました。

それでは、測定結果です。

測定結果及びスペクトルから判断した結果、
セシウム134は不検出ですが、セシウム137は検出と判断しました。


 (判定方法)
600keV付近にピークが確認できますが、796keV、802keVにはピークが確認できません。
662keVには、ピークが確認できます。

この度の測定結果では・・・

天然核種
「カリウム40」
「ビスマス214」

人工核種
「セシウム137」

の検出と判断します。
4200秒、27000秒、32400秒と途中経過も確認しました。
その結果、セシウム134はピークも確認できないため「不検出」と判断させて頂きました。
セシウム137については、ピークがしっかりと確認できており「検出」と判断しております。

また、4200秒での測定の結果が一番セシウム137の濃度が高い結果となっておりますが、
天然核種でもある短時間核種のビスマス214も存在しており、測定時間が短いと影響を強く受けて数値が高めになっているものと考えられます。
その結果の裏付けとして、27000秒、32400秒、43200秒での結果でみると、ほぼ平均化された結果となっていることが分かると思います。

セシウム134が不検出ですし、今回の福島第一原子力発電所の事故由来の物ではないものと考えられ、
原発事故以前も同じように検出されていた可能性があります。
従って今回の結果を受けて食されるかどうかの判断はお任せということとなります。
セシウム137が約1.0Bq/kgの検出ですので、200gのお肉を食べると、0.2Bqの摂取となります。
原発事故以前では、セシウム137の50年間の1日の平均摂取量が0.19Bqですので、今回の猪肉ですと200gで1日分の摂取量となる見込みです。
なお、猪については個体差があるかどうかは不明です。
猪は野生のキノコを好んで食すようですので、生息地周辺の野生のキノコがどうなのか知りたいところではあります。

なお、天然核種としてカリウム40の他にウラン系のビスマス214を微量検出と判断させて頂きましたが、微量ですので問題はないものと考えられます。


商品名:猪肉
産地:岡山県高梁市備中町
製造者:地元の猟師
製造工場:不明
販売者:不明
生産年月:2014年1月
入手年月:2014年1月
賞味期限:NO DATA
ロットナンバー:NO DATA
測定時間:43200秒
重量:1048.1
g
測定容器:1Lマリネリ容器(全量充填)
解析精度:3σ
セシウム137:1.01±0.464Bq/kg
セシウム134:<0.3Bq/kg
カリウム40:70.6±18.0Bq/kg

※2014年5月7日の測定結果です。
また、放射能測定での数値は絶対値ではありません。
機器や測定環境も左右する確率的な測定ですので、あくまでも参考値としてご活用ください。
この個体(このロット)を測定した結果はその母集団の数値を保障するものでありません。
今回の測定が検出なしでも、永続的な安心を保障するものでもありません。

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