2014年9月14日日曜日

煙草(吸殻)Natural American Spirit ペリック・ボックス・アメリカ(生産年不明)サンタフェ ナチュラルタバコ ジャパン株式会社

本日は、ご依頼のありました食品の測定結果についてです。
食品名は、「煙草(吸殻)」
産地は、「アメリカ合衆国ニューメキシコ州サンタフェ」
製造者及び販売者は、「サンタフェ ナチュラルタバコ ジャパン株式会社」

福島第一原子力発電所の事故以降、煙草の銘柄を変えられたそうです。
煙草にはもちろん健康被害がありますが、そこに放射性物質が加えられたと。
気になってしまい、外国産の煙草であれば原発事故由来の放射性物質はないだろうと考えてはいたが、
一度測定してみておきたいとのことからのご依頼でした。

なお、他所でも煙草の灰の測定等されておりますが、
国産の煙草でも思っていたほど出ていなかったりという結果ではあります。

「サンタフェ ナチュラルタバコ ジャパン株式会社」
https://amespi.jp/users/login

「商品販売のページ」
http://www.tabako-sakuranbo.co.jp/goods/goods-4098.php


それでは、測定結果です。

 (判定方法:スペクトルからのピーク)
セシウム134
605keV:○
796keV:×

セシウム137
662keV:×

カリウム40
1461keV:○

[ウラン系]
鉛214
242keV、295keV、352keV:○

ビスマス214
609keV:○
1120keV:○

[トリウム系]
鉛212
239keV:○

アクチニウム228
338keV:○
911keV、965keV:○

タリウム208
583keV:○
861keV:○

この度の測定結果では

天然核種
「カリウム40」
「鉛214」(ウラン系)(微量)
「ビスマス214」(ウラン系)(微量)
「鉛212」(トリウム系)(微量)
「アクチニウム228」(トリウム系)(微量)
「タリウム208」(トリウム系)(微量)

の検出と判断いたします。
セシウム137については、662keVにピークが確認できません。
セシウム134については、605keVにピークは確認できますが、796keVには確認できません。
したがってセシウム137及びセシウム134共に誤検出であり不検出と判断しました。

結果として、カリウム40の他にも天然核種のウラン系とトリウム系が微量ではありますが存在しております。
セシウム137及び134については、共に存在していないと推測されますので、
今まで通りのタバコと同じような使用をされても大丈夫ではないかなと考えられます。

商品名:煙草(吸殻)Natural American Spirit ペリック・ボックス
産地:アメリカ合衆国ニューメキシコ州サンタフェ
製造者:サンタフェ ナチュラルタバコ ジャパン株式会社
製造工場:サンタフェ ナチュラルタバコ ジャパン株式会社
販売者:サンタフェ ナチュラルタバコ ジャパン株式会社
生産年月:NO DATA
入手年月:2014年7月
賞味期限:NO DATA
ロットナンバー:NO DATA
測定時間:43200秒
重量:192.9
g
測定容器:1Lマリネリ容器(全量充填)
解析精度:3σ
セシウム137:<1.6Bq/kg(2.07±2.02Bq/kg:誤検出)
セシウム134:<1.7Bq/kg(2.97±2.34Bq/kg:誤検出)
カリウム40:1070±240Bq/kg

※2014年7月31日の測定結果です。
また、放射能測定での数値は絶対値ではありません。
機器や測定環境も左右する確率的な測定ですので、あくまでも参考値としてご活用ください。
この個体(このロット)を測定した結果はその母集団の数値を保障するものでありません。
今回の測定が検出なしでも、永続的な安心を保障するものでもありません。

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4 件のコメント:

  1. 拝啓

    この度は測定をありがとうございました。
    体に悪いもの(という説のある)検体の測定をし、かつ公開するなど、けしからん
    といった意見がごく一部にあるようですが、
    本品の依頼者自身として、一筆させて戴きます。

    私自身は喫煙者ですが、危機感があれば2012年か13年の時点でとっくに
    測定に出しておりました。今回は、あえて個人的な興味から依頼をさせて戴きました。

    まず他測定所にて「灰皿の灰」を測定されていたのをお見かけし、
    大変に興味深い検体だと思うと同時に、葉ではどうか?と考えました。

    しかし、新品の葉を1リットルは、かなりありまして経費もかかるため
    吸殻にしました。
    (気化して、今回は検体の一部としなかった「フィルター部」に捕縛された成分部分はあるでしょうが


    国産のタバコにしなかったには、自分が吸っていないという事以外にも理由があり、
    これはこのニューメキシコ州の会社の本社が、核施設・軍事施設の近くだったためです。

    愛煙家でない方はご存知ないと思いますが、
    この通称「アメスピ」と呼ばれるタバコは、極めて珍しい無添加タバコとして知られています。

    オーガニック脳の方でも喫煙をされる方はおりまして(**流などの原理主義的正食医学ではあります)
    その点で、タバコのタールとニコチン自体の健康害の疫学的な確率論を論じるか、
    それとも通常のほとんどのタバコに添加されている百数十種の添加物の害を危険視するか
    個人で見解は分かれると思います。

    しかしオーガニックタバコということから、昔からアメスピを好む人もいれば
    私のように震災後に、葉や巻紙が海外産のもの変えた方も相当にいると思い、
    公共性のある情報となるということから、測定依頼をさせて戴きました。

    仮に、健康に害があるものは測定しない、という人がいても、
    それはその測定をする人の自由であり、
    同様に、尿は検査はお断りするところもあればOKのところもあり
    検体の汚染濃度に上限を定めるところもあり、
    もしも、お酒が体に悪い、牛乳は飲むべきではないという信念を持っている人は、
    お酒や牛乳の測定を断ればいいと思います。
    あるいは、人によっては納豆をお断りする場合もありと、いろいろであり、それは測定員の自由ですね。

    ですから、タバコを測定して公開したというそれだけのことを、
    とやかく言いう事はそれこそ「無意味」であり、食品添加物の健康被害につい力説したいのであれば
    それはそれ相応の論点の分野ですればいいのであります。
    それは健康問題の論議という、とてつもなく「広い枠」に入ってしまいますので、
    放射能測定にからめるべき話題ではありませんね。

    その点で、杉原様も喫煙者については健康上の懸念をもたれているとは思いますが、
    それとは別に、きっちりと分けて、「放射能はどうか?」という純粋な視点でのみ測定をして戴けて
    大変に感謝しております。


    敬具


    鈴木

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    返信
    1. 鈴木 様

      コメントして頂きまして、ありがとうございます。
      他銘柄の煙草の灰の測定や、煙草を分解し乾燥した葉そのものの測定事例は他所で拝見したり伺ったことがあります。
      思っていたよりも出ていないという感じです。
      それだけを見れば煙草による放射能測定は、自分にとっても副流煙として吸い込む他人にとっても気にするレベルの物ではないと考えることもできます。

      ですが、例えばマンションの隣の住民がベランダで煙草を吸ってて、その煙がこちらに流れてくるときとか、
      店内で分煙されていて、その煙が匂う時とか、はてまた黄色いヤニがこびりついていたときとか。
      非常に場面は限定されますが、気になることは多々あります。

      データから考えて、放射能よりも普通にタバコの害の方が大きいことは分かってきましたが、
      おっしゃる通り当方は放射能に関する測定依頼所で、その測定自体が意味があるのか無いのかは別として測定品は、放射能についてのみきっちりと測定し、また原則公開をしていく方針です。
      データは蓄積すればするほど、信頼性が高まってきますので、無用なデータはなく裏付けという形になります。
      そういう方針ですので、今までに出ていない測定品のご依頼であったとしても、当方で測定可能であれば承ります。
      机上の空論ではなく、科学者としてのデータ蓄積のためです。
      傍目には絶対にこうなると考えられているものは、無駄とみる場合もありますが、思いもしなかったことから分かる新しい発見がある可能性は否めません。
      効率を求めましたら、絶対にしないことではありますけどね。
      そうなると、発見できない可能性もあります。
      良く考えてみれば、新しい発見という部分ではどっちもどっちかなと。
      ただ、一つの部分で見るといままでのデータから無駄なのかどうかは、日本の測定者の考え方としては多数派なのかもしれません。
      僕は異端的な理系的な考え方ですので、少数派かな。

      なお、測定所同志でつながって、「測定する意味」のある測定をしていくというのは、みんなのデータサイトによるプロジェクトで行っていく方針でもあります。
      今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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  2. もう一点のみ、指摘させて戴きたいのは、
    喫煙者を仮に社会の「少数派」としますと、その少数派は論外だとする理屈が横行する場合があります。
    (放射能危険視派が、まるで社会の少数派であるかのように言う場合にも使われる、少数派排除の考えです。)

    そこで、一例としてですが、
    「醤油」の消費生産の約50%が国外産の原材料であったとします。
    国民の半数はその醤油を使っているのであれば、その50%の人たちは福島原発事故の影響を考慮する必要はない、
    と乱暴に言い放ってしまえる事になります。(ただし多数だからといって何らの正義や正論の証明にもなりませんが)

    しかし残り50%の一般家庭の人たちや、地方の地産地消の製品を使う人、また、こだわりのあるシェフらが
    国産大豆や、特定の小規模生産者の作るものを愛用しているとしたらば、その人たちはその安全性に気を遣います。

    この「比率」がもっと極端になりまして、日本でたった0.1%の人しか使用事のいない食材や嗜好品であったとしても
    その人たちにはそれは重要なことになりますので、
    「それを買って食べる人は、圧倒的に少数だから無視して良い。測定しても意味がない」とはならないと思います。


    1Fの事故は未だ「終わりすら見えていません」し今後も過酷事故のリスクを誰も否定できません。
    昔も今も産地偽装もありますし、今後は、一般廃棄物焼却によるセシウムの再飛散(しかも、今より危険な粒子として)や
    低濃度汚染のリサイクル製品も懸念されます。

    汚染の影響は、とても長いスパンで、今子供の世代の人ですら、それは死ぬまで続いてゆくと思いますので、
    今後とも、全国にある市民測定所の皆様が、私のような少数派の消費者を無視されない事は本当にありがたいことです。
    今後とも、末永く、お力をお貸し戴ければと、願って止みません。


    敬具

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    1. 鈴木 様
      有る方が言っておられました。
      確かに「自分」には影響がでないレベルなのかもしれない。
      でも、子供やその孫にどういう影響が出てくるのか分からない。
      確かに微量で今までとほとんど変わらないのであれば、(・ε・)キニシナイ!!という考え方は出来ます。
      でも、今はその事実を知り過去を知り、という状況です。
      過去と同じであればよい、と考えるのか、それを知って本来は無い物は出来るだけ排除したい。と考えるか。
      前者は自分のためだけであったり、過去データから線引きをしてできるだけ分けて楽というか、生きる術を身に着けていくというか
      後者は終わりなき戦いであり、ストレスも来るし、これからも分からない事ばかりです。

      現代社会は、放射能問題にとどまらず、遺伝子組み換え、農薬、合成甘味料といった化学物質にまみれてしまっております。
      今回の放射能問題は、その中の一つに加わってしまったものであり、今後はいろんな場面で複合的に起こってくる問題であると捉えてはいます。

      当方の「おのみち -測定依頼所-」のTOPにもありますが、

      *************************************************************
      2011.3.11の福島原発事故以降、国内での放射能汚染された食材の流通が問題になってます。
      ここ西日本で生産された物や収穫されたものは安全とされていますが、
      全国を流通する食材、加工品などには給食も含めて安心とは言えません。
      放射能汚染の心配は事故を起こした原子炉が石棺などで封印されない限り永遠に続きます。
      東日本を中心に未だ毎日のように、汚染食材の報告がされてます。
      3.11以降、市民が自分たちのネットワークで自分たちと将来の子どもたちの命、健康を守る事が大切です。
      食べる事と空気として体内に取り込む内部被曝を防ぐ事が大切になります。
      農薬、添加物、遺伝子組み替えなどとともに、放射能問題も身近に考え、健康、命を第一に考えていきましょう。
      (おのみち -測定依頼所- 代表 信惠 勝彦より)
      *************************************************************

      です。
      一つの視点で見ることも大事ですし、広い視野で見ることも大事ですね。
      どうぞよろしくお願いいたします。

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