2017年3月13日月曜日

土壌57・神奈川県横浜市保土ヶ谷区仏向町(2017年)「東日本土壌ベクレル測定プロジェクト」みんなのデータサイト

本日は、みんなのデータサイトの「東日本土壌ベクレル測定プロジェクト」となる、ご依頼のありました土壌の測定結果についてです。
地点名は、「神奈川県横浜市保土ヶ谷区仏向町」
当方の「みんなのデータサイト」で比較対象可能な土壌測定の「57検体目」となります。

なお、充填量が1Lに満たず約700mlの量でしたので
測定結果の数値については参考値となりますこと、ご了承ください。
みんなのデータサイトの土壌測定プロジェクトには、測定結果の数値を載せることとなりますが、
注意書きとして参考値という形です。

(測定風景)





「野帳」

(測定結果)
※スペクトルデータは、「東日本土壌ベクレル測定プロジェクト」に帰属しますので
公表とさせていただきます。

地点名:神奈川県横浜市保土ヶ谷区仏向町
調査年月:2017年1月10日
測定時間:43200秒
重量:920.0
g
測定容器:1Lマリネリ容器(全量充填)
解析精度:3σ(精度99.7%)
セシウム137:45.9±9.84Bq/kg(測定下限値:0.5Bq/kg)
セシウム134:12.3±2.90Bq/kg(測定下限値:0.4Bq/kg)
カリウム40:239±53.7Bq/kg(測定下限値:3.8Bq/kg)

(判定方法:スペクトルからのピーク)
セシウム134
605keV:○
796keV:〇

セシウム137
662keV:○

カリウム40
1461keV:○

[ウラン系]
鉛214
242keV、295keV、352keV:○

ビスマス214
609keV:○
1120keV:○

[トリウム系]
鉛212
239keV:○

アクチニウム228
338keV:○
911keV、965keV:○

タリウム208
583keV:○
861keV:○

ベリリウム7
478keV:○

(まとめ)
天然核種
「カリウム40」
ウラン系(「鉛214」「ビスマス214」)を微量
トリウム系(「鉛212」「アクチニウム228」「タリウム208」)を微量

人工核種
「セシウム137」
「セシウム134」

を検出と判断しました。
今回の結果から±の範囲を無視して、放射性セシウムの比率を考えますと
セシウム137:45.9Bq/kg
セシウム134:12.3Bq/kg

セシウム137:セシウム134=45.9:12.3=1:0.267973...

となります。
平成29年2月現在の放射性セシウム比率は「1:0.158」と言われておりますので、
セシウム134が高めの値で検出されております。

±の範囲を最大にとって考えますと、
セシウム137=45.9+9.84=55.74
セシウム134=12.3-2.90=9.4

セシウム137:セシウム134=55.74:9.4=1:0.168640...

±の範囲を逆の方に最大にとって考えますと、
セシウム137=45.9-9.84=36.06
セシウム134=12.3+2.90=15.2

セシウム137:セシウム134=36.06:15.2=1:0.421519...

となりますので、
放射性セシウムの比率は
0.168640~0.267973~0.421519

の範囲に収まると推測されます。
したがって、放射性セシウムの比率が理論値と外れております。

このことは、
(1)充填量が1Lに満たなかったため数値にズレが大きくなってしまった可能性
(2)天然核種が含まれているため、セシウム137又はセシウム134の値が実際の値より大きくなってしまっている
の2点が考えられます。
しかし、セシウム134のピークがしっかりと見えていることから、
福島第一原子力発電所の事故由来と考えても問題はないものとも推測されます。
※福島第一原子力発電所の事故以前でも、
全国の土壌からセシウム137が5~10Bq/kg程度は検出されておりましたが、
それを勘案してもセシウム134の値が高く出ておりますが、天然核種の影響を受けてしまったためと判断します。

なお、冒頭でも記載しましたが
「充填量が1Lに満たないため、値としては参考値」としてお考えください。
なお、充填量が1Lに満たない状況ですと、
〇少し値が高めに出やすい
〇精度が落ちるので±の範囲が大きくなる
の2点が気を付けるべき点となります事を申し添えておきます。

「みんなのデータサイト」に今回の土壌測定結果をアップしております。
検体IDは「30650」です。
公開URLは次の通りです。
http://www.minnanods.net/mrdatasoilget/mds2/30650

※2017年2月1日の測定結果です。
放射能測定結果の数値には必ず誤差があります。
また、放射能測定結果の範囲内に「放射能絶対値」が含まれる確率を、解析精度という値で表示しています。
機器や測定環境も左右する確率的な測定ですので、あくまでも参考値としてご活用ください。
この個体(このロット)を測定した結果はその母集団の数値を保障するものでありません。
今回の測定が検出なしでも、永続的な安心を保障するものでもありません。

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