2014年7月4日金曜日

土壌(砂)・栃木県(2014年)

本日は、ご依頼のありました土壌の測定結果についてです。
測定品名は、「土壌(砂)」
採取地は、「栃木県宇都宮市」

栃木県宇都宮市で採取した「砂」とのことです。
一度見て確認しておきたいとのことからのご依頼でした。

それでは、測定結果です。

測定結果及びスペクトルから判断した結果、
セシウム134及び137共に検出と判断しました。

 (判定方法)
605keV、796keV、802keVにピークが確認できます。
662keVにも、ピークが確認できます。

この度の測定結果では・・・


天然核種
「カリウム40」
「鉛214」(ウラン系)(微量)
「ビスマス214」(ウラン系)(微量)
「鉛212」(トリウム系)
「アクチニウム228」(トリウム系)
「タリウム208」(トリウム系)

人工核種
「セシウム137」
「セシウム134」

の検出と判断いたします。
セシウム137及び134共にしっかりとピークが確認できております。
したがってセシウム137及び134共に検出と判断させて頂きました。
他に天然核種としてカリウム40、トリウム系核種及び微量のウラン系核種が検出されております。
砂にはトリウム系の天然核種が多いと言われております。

商品名:土壌(砂)

産地:栃木県宇都宮市
製造者:NO DATA
販売者:NO DATA

採取年月:平成26年5月25日
賞味期限:NO DATA
ロットナンバー:NO DATA
測定時間:43200秒
重量:148.5
g
測定容器:V-7容器(85ml)
解析精度:3σ
セシウム137:39.8±9.94Bq/kg
セシウム134:28.1±7.59Bq/kg
カリウム40:682±160Bq/kg


なお、セシウム137及びセシウム134の存在比率ですが、
2014年6月現在では1:0.365と言われております。
今回の結果では28.1/39.8=0.7060...

セシウム137:セシウム134=1:0.7060
となり比率にあいません。

これは、他に天然核種が存在しているためセシウム137と134の定量に影響していることが原因と考えられ、
セシウム137の値が過少、もしくはセシウム134の値が過大となっていると推測します。

参考までに「±の範囲を最大」にして考えた場合、
セシウム137:39.8+9.94=49.74Bq/kg
セシウム134:28.1-7.59=20.51Bq/kg
となります。
この場合ですと
20.51/49.74=0.4123...
となり、概ね今回の原発事故による比率と合うこととなります。

参考までに、スペクトルから判断しますと、セシウム137のエネルギーである662keVのピークの高さと
セシウム134のエネルギーである796keVのピークの高さを比べてみたところ、
1:0.4程度であると推測しますので、

間違いなく福島第一原子力発電所の事故の影響であると推測します。

※2014年5月28日の測定結果です。
また、放射能測定での数値は絶対値ではありません。
機器や測定環境も左右する確率的な測定ですので、あくまでも参考値としてご活用ください。
この個体(このロット)を測定した結果はその母集団の数値を保障するものでありません。
今回の測定が検出なしでも、永続的な安心を保障するものでもありません。

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