2016年3月12日土曜日

掃除機のゴミ(環境試料)・東京都世田谷区船橋(2014年2月~2016年1月)

本日は、ご依頼のありました環境試料についての測定結果です。
試料名は、「掃除機のゴミ(環境試料)」
産地は、「東京都世田谷区船橋」
採取者は、「依頼者本人」

ご依頼者の方の自宅で「2014年2月6日から2016年1月6日の間」に
使用された掃除機にたまったゴミパックです。
環境試料として測定させて頂きました。

今回の測定後に、以前他所で測定された結果もありますので、
数値のみですが比較のために記載させて頂いております。
(※ありがとうございました!)

(測定風景)





(測定品詳細)
試料名:掃除機のゴミ(環境試料)
産地:東京都世田谷区船橋
製造者:自然
製造工場:自然
販売者:自然
生産年月:2014年2月6日から2016年1月6日の間
入手年月:2014年2月6日から2016年1月6日の間
賞味期限:NO DATA
ロットナンバー:NO DATA

(測定結果)
測定時間:43200秒
重量:155.0
g
測定容器:1Lマリネリ容器(全量充填)
解析精度3σ(精度99.7%)
セシウム137:11.4±4.00Bq/kg
セシウム134:不検出(測定下限値<1.7Bq/kg)
カリウム40:56.2±31.3Bq/kg

※スペクトルデータについては、ご依頼者の方より公表許可を頂いております。
ありがとうございます。

セシウム134も存在しているように見えましたので2σでの結果も出しております。
解析精度2σ(精度95.4%)
セシウム137:11.4±3.43Bq/kg
セシウム134:2.02±1.52Bq/kg
カリウム40:56.2±24.6Bq/kg

(判定方法):スペクトルからのピーク
セシウム134
605keV:○
796keV:○

セシウム137
662keV:○

カリウム40
1461keV:○

[ウラン系]
鉛214
242keV、295keV、352keV:×

ビスマス214
609keV:○
1120keV:×

[トリウム系]
鉛212
239keV:×

アクチニウム228
338keV:×
911keV、965keV:×

タリウム208
583keV:△
861keV:×

(まとめ)
天然核種の
「カリウム40」

人工核種
「セシウム134」(微量)
「セシウム137」

を検出と判断しました。
なお、放射性セシウムの平成28年1月現在のそれぞれの存在比率は
セシウム137:セシウム134=1:0.221
と言われております。
今回の結果を比にしてみますと

「セシウム137:セシウム134=11.4:2.02=1:0.177192...」

となります。
セシウム137に対してセシウム134が少し低く検出となっております。
2σの結果から±の範囲を最大に考えてもう一度比を出してみますと

セシウム137を+、セシウム134を-に最大限とってみると。
セシウム137=11.4+3.43=14.83
セシウム134=2.02-1.52=0.50

「セシウム137:セシウム134=14.83:0.50=1:0.033715...」

セシウム137を-、セシウム134を+に最大限とってみると。
セシウム137=11.4-3.43=7.97
セシウム134=2.02+1.52=3.54

「セシウム137:セシウム134=7.97:3.54=1:0.444165...」

となり
セシウム137と134の比率として
「1:0.033715~0.177192~0.444165」

の範囲に収まると推測されます。
よって、今回の測定結果から福島第一原子力発電所の事故による影響であると判断できます。

(以下はご依頼者の方より、情報提供を頂きました。)
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【以前のゴミパックの測定結果】
ゴミパックの以前の測定結果ですが
期間が2013年6月〜2014年2月6日までで
セシウム137:60.0Bq/kg
セシウム134:21.0Bq/kg
合計81.0Bq/kgでした
測定結果を添付ファイルで同時に送信しますのでスペクトルグラフも合わせてご覧下さい。
6ヶ月で81.0Bq/kgから今回の2年弱で13Bq/kg強ですので随分下がったと思っております。

【ゴミパックの使用場所】
集合住宅の11階です。
地上から離れているから土埃が多くは上がって来ない可能性が高いですが
ベランダ自体は放っとくと土埃がたまるんで土埃は部屋にも入って来てると推測されます。
だから高さのせいで本当に微量で済んでいるのかなと今回の測定で思いました。
****************************************
(ここまで)

また、ご依頼者の方からご質問があったので以下のように回答させて頂いております。
ご参考になりましたら幸いです。

Q1
セシウム134が解析精度3σで不検出で解析精度2σで検出されるのは
標準偏差3σだと測定下限値を下回り不検出となり
標準偏差2σだと測定下限値を下回らないので検出と言う事でしょうか
(統計上の評価の仕方はめちゃくちゃ難しくて理解出来てませんが
範囲を狭く取れば測定下限値を上回り現在のセシウム137と134比率に当てはまるので2σで検出が正解と理解しました)

A1
おっしゃるとおり、3σだと少し範囲が大きくなり測定下限値も上がるため、
不検出との測定結果になったのですが、
スペクトルから判別しますと、ピークがあると判断いたしました。
そのため測定精度は落ちますが2σで判別する範囲を狭くし、測定下限値も下げての測定結果も参考までに記載させて頂きました。
ゲルマニウム半導体検出器で測定した場合、今までの経験上検出される結果であると推測しております。



Q2
天然核種カリウム-40以外の天然核種が検出されないのは土埃が
室内に入って来ていないということは考えられますか

A2

測定結果からは天然核種のカリウム40以外は不検出といってもよい結果となっております。
このことから分かることは、おっしゃるとおり土埃がほとんど室内に入ってきていないのではないかとも推測されます。
また、こちらも推測ではありますが、
S様の掃除機のゴミは主に2階以上の室内のゴミとなりますでしょうか?
(1階であれば若干なりとも土埃が混入すると思われますので。)⇒後日、ご依頼者様から回答を頂き、11階とのことでした。



Q3
2013年後半にベランダで半年ほど使った日よけネットを測定してもらった事が有るので すが
放射能が全く出ませんでした。
上の方に上がってくる土埃には放射能が含まれてない!?
なんてことは無いと思うんですが
これが未だに謎です。

A3
11階のベランダでも塵は舞い上がって汚れとなってつくとは思いますが、
事故当初は気化した放射性セシウム等が舞っておりましたが、今現在では塵などに付着した状態で舞っております。
ベランダであれば雨風も受けると思いますので、半年ほど経った日よけネットであったとしても、
雨風で流れてしまうのではと考えられます。
雨が降ったあと、付着する汚れは、舞い上がりによる汚れとは違い、かなり上空にもある大気中の塵や埃を含みますので、
雨による汚れには放射性セシウムはほとんど含まれていないとも考えられます。
よって雨が降ると舞い上がって付着していた塵なとが洗い流され、代わりに上空に舞っていた塵などが付着する形になろうかと思いますので、
もし放射性セシウムが含まれていたとしてもごく微量しか検出されないのではないかなと推測されます。


※2016年1月14日の測定結果です。
また、放射能測定での数値は絶対値ではありません。
機器や測定環境も左右する確率的な測定ですので、あくまでも参考値としてご活用ください。
この個体(このロット)を測定した結果はその母集団の数値を保障するものでありません。
今回の測定が検出なしでも、永続的な安心を保障するものでもありません。

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