2015年5月12日火曜日

水遮蔽の影響はあるのか(放射能測定時)

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本日は、放射能測定を行うに当たり、NaI(ヨウ化ナトリウム)シンチレーション式検出器で、
水遮蔽の影響はあるのか?
実験した結果がありますので、ご参考までに公開いたします。
(Facebook上では公開済みですが、改めてブログ上でも公開いたします。)

■加水実験その1

「玄米(千葉県)再測定」
測定時間:43200秒
重量:1004.1g
測定容器:1Lマリネリ容器(全量充填)
解析精度:3σ
セシウム137:1.16±0.513Bq/kg
セシウム134:0.437±0.374Bq/kg
カリウム40:54.9±14.8Bq/kg


「玄米・加水(千葉県)」
測定時間:43200秒
重量:1392.7g
測定容器:1Lマリネリ容器(全量充填)
解析精度:3σ
セシウム137:0.856±0.372Bq/kg
セシウム134:<0.2Bq/kg
カリウム40:34.0±9.51Bq/kg





解析精度:2σ
セシウム137:0.856±0.305Bq/kg
セシウム134:0.221±0.180Bq/kg
カリウム40:34.0±8.61Bq/kg

玄米に加水した検体となるのですが、終了後に遮蔽体から出す時、
やはり水を吸って膨張して容器がパンパンに膨れており遮蔽体の蓋が壊れる可能性がありました。
再測定は不能です。
加水した水の量は388.6gです。
加水しなかった場合のgに直した場合の測定結果は

解析精度:3σ
セシウム137:1.19±0.516Bq/kg
セシウム134:<0.3Bq/kg
カリウム40:47.2±13.2Bq/kg

解析精度:2σ
セシウム137:1.19±0.423Bq/kg
セシウム134:0.306±0.250Bq/kg
カリウム40:47.2±11.9Bq/kg

[セシウム137の値を用いて考察します。]
→玄米(1004.1g)
セシウム137:1.16±0.513Bq/kg

→加水玄米(1392.7g)
セシウム137:0.856±0.372Bq/kg

まず単純計算で
0.856/1.16=0.7379310...≒0.74

26%程検出した値が少なくなっております。
加水した量は388.6gです。
全体に占めるgでみますと
388.6/1392.7=0.279026...≒0.28

28%程が増えた水分となります。

※加水前と加水後のg数をみてみますと
1004.1/1392.7=0.720973...≒0.72
同様に28%が増えた量となります。

体積は変わらず、全体に占める重量の内28%程が増えた水となります。
結果としては、26%程度数値が下がっております。
これは単純に増えた水の量によってBq/kgの再計算をしたところ、
全体の放射線量は2%程度変わったかどうかという結果です。
理論値より2%程度数値が大きくなっておりますので水により遮蔽されたとは言えませんが、
誤差の範囲と推測されて終わってしまう形ではあります。

何度も測定してみて2%程度でも必ず値が小さくなるのであれば、
水遮蔽があると言える結果になるかなと思います。
今回は水遮蔽は全くと言っていいほど無く、逆に理論値より増えたという結果です。
現段階では、2%上下する値は誤差と言うほかはないと考えられます。

なお、参考までに加水して測定した結果を、加水しなかった場合の重量に修正した結果も添付してます。
 (分かりにくくてすみません)

加水して1392.7gで測定した結果を1004.1gに修正した結果
セシウム137:1.19±0.516Bq/kg

加水前の結果は
セシウム137:1.16±0.513Bq/kg
ですので、
1.19/1.16=1.02586...≒1.03
約3%数値が上がったという結果ですね。

■加水実験その2
「米ぬか・炒(千葉県)」
測定時間:43200秒
重量:306.2g
測定容器:1Lマリネリ容器(全量充填)
解析精度:3σ
セシウム137:8.64±2.84Bq/kg
セシウム134:2.61±1.65Bq/kg
カリウム40:816±181Bq/kg


「米ぬか・炒・加水(千葉県)」
測定時間:43200秒
重量:737.8g
測定容器:1Lマリネリ容器(全量充填)
解析精度:3σ
セシウム137:3.61±1.18Bq/kg
セシウム134:1.13±0.692Bq/kg
カリウム40:327±72.8Bq/kg



[セシウム137の値を用いて考察します。]
→米ぬか・炒(306.2g)
セシウム137:8.64±2.84Bq/kg

→米ぬか・炒・加水(737.8g)
セシウム137:3.61±1.18Bq/kg

まず単純計算で
3.61/8.64=0.417824...≒0.42

58%程検出した値が少なくなっております。

加水した量は431.6gです。
全体に占めるgでみますと
431.6/737.8=0.58498...≒0.58

58%程が増えた水分となります。

※加水前と加水後のg数をみてみますと
306.2/737.8=0.415017...≒0.42
同様に58%が増えた量となります。

体積は変わらず、全体に占める重量の内58%程が増えた水となります。
結果としては、58%程度数値が下がっております。
これは単純に増えた水の量によってBq/kgの再計算をしたところ、
全体の放射線量はほぼ変わらなかったという結果です。
ほぼ理論値どおりの値となっており水により遮蔽されたとは言えないと判断できます。

参考までに加水して測定した結果を、加水しなかった場合の重量に修正した結果も添付しております。
 (分かりにくいですがすみません)

加水して737.8gで測定した結果を306.2gに修正した結果
セシウム137:8.70±2.85Bq/kg

加水前の結果は
セシウム137:8.64±2.84Bq/kg
ですので、
8.70/8.64=1.0069444...≒1.01
約1%数値が上がったという結果となっております。
誤差の範囲であると判断できます。

(結論)
NaIシンチレーション検出器で測定する際には、
水遮蔽の影響はほとんど無いものと推測される。
影響が有るのは水分の重量がBq/kgに換算する際に影響してくること。
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