2014年6月21日土曜日

松葉(乾燥・粉砕)・山梨県(2014年)

本日は、堆肥扱いの測定結果についてです。
商品名は、「松葉(乾燥・粉砕)」
産地は、「山梨県南都留郡冨士河口湖町」
製造者及び販売者は、「自然」

松葉にはセシウムが付着しやすいようですので、
一つの目安として測定しておきたいとのことからのご依頼でした。

それでは、測定結果です。

測定結果及びスペクトルから判断した結果、
セシウム137は検出、セシウム134は不検出と判断しました。

 (判定方法)
600keV付近にピークは確認できますが、796keV、802keVにはピークが確認できません。
662keVには、ピークが確認できます。

この度の測定結果では・・・

天然核種
「カリウム40」
「ビスマス214」
「ベリリウム7」

人工核種
「セシウム137」

の検出と判断します。
セシウム137のピークはしっかりと確認できますが、セシウム134はあるようには見えません。
また、他に天然核種のビスマス214が微量ながらも存在しているようで、セシウム137が少し過大に検出されている可能性はあります。
なお、天然核種として珍しい核種の「ベリリウム7」も検出されております。

測定名:松葉(乾燥・粉砕)
産地:山梨県南都留郡冨士河口湖町
製造者:自然
製造工場:自然
販売者:自然
生産年月:2014年5月
入手年月:2014年5月
賞味期限:NO DATA
ロットナンバー:NO DATA
測定時間:43200秒
重量:313.3
g
測定容器:1Lマリネリ容器(全量充填)
解析精度:3σ
セシウム137:1.85±1.24Bq/kg
セシウム134:<0.9Bq/kg
カリウム40:120±35.6Bq/kg

参考までに1σの結果も出しております。
セシウム137:1.85±0.660Bq/kg
セシウム134:0.503±0.400Bq/kg
カリウム40:120±27.8Bq/kg

との結果です。
セシウム137とセシウム134の比率で言いますと、今現在で0.374の割合で存在すると言われております。
1.85×0.374=0.6919Bq/kg
ですので、概ね近い値にはなっております。
やはり313.3gしか充填できていないため、もう少し粉砕して充填量を上げて正確に測定してみたいと考えております。

※2014年5月22日の測定結果です。
また、放射能測定での数値は絶対値ではありません。
機器や測定環境も左右する確率的な測定ですので、あくまでも参考値としてご活用ください。
この個体(このロット)を測定した結果はその母集団の数値を保障するものでありません。
今回の測定が検出なしでも、永続的な安心を保障するものでもありません。








*************************
(後日粉砕後の結果)

測定時間:43200秒
重量:377.5
g
測定容器:1Lマリネリ容器(全量充填)
解析精度:3σ
セシウム137:1.39±1.00Bq/kg
セシウム134:<0.8Bq/kg
カリウム40:133±36.6Bq/kg

スペクトルからみますと、

天然核種
「カリウム40」
「ビスマス214」
「ベリリウム7」

人工核種
「セシウム137」
「セシウム134」

の検出と判断します。
セシウム137のピークは変わらず確認できます。
粉砕処理後はセシウム134のピークも確認できるようになりました。
また、前回の結果と同じく他にも天然核種のビスマス214が微量ながらも存在しているようで、セシウム137が少し過大に検出されている可能性はあります。
珍しい天然核種の「ベリリウム7」も同じように検出されております。

参考までに2σの結果も出しております。
セシウム137:1.39±0.761Bq/kg
セシウム134:0.866±0.683Bq/kg
カリウム40:133±33.3Bq/kg

との結果です。
セシウム137とセシウム134の比率で言いますと、今現在で0.374の割合で存在すると言われております。
1.39×0.374=0.51986Bq/kg
ですので、少し高めに出ているか、セシウム137の減算がききすぎてセシウム137の値が少なくなってしまっている可能性があります。
更なる粉砕処理後においても、やはり充填量が0.37と少ないので値がばらついてしまうのは仕方のないことであると考えられます。


※※※※※ここからはご質問がありましたことについての追記となります※※※※※

充填することの出来る量が増えたことによって
→換算係数が1に近くなる(濃度が小さくなる)
→放射線を出す元が増加する(濃度が上がる)

粉砕して小さくすると、セシウム137の濃度が小さくなるというのは、
セシウム137の定量に影響してくる他の放射線の量も増えたためと考えられます。
充填量を上げることで安定した測定になっていくのですが、
他の核種の影響も強く受けるようになってしまうため、難しい部分もあるようです。


> 前回の松葉の測定の時のように、
> さらに再粉砕したものが、最初と比べてやや下った原因と似ているのでしょうかね?
> 検体が細かくなる時と少し似ていて、
> 計測時間が長くなるにつれて
> 「他の核種からの影響」も加算されてくるのかもしれませんね。
> ですから「消える」ということはなくて、
> 埋もれて、下ってはいくけど、
> そこにあり、数値も正しさに近い、という「読み」でいいのではないかと思い
> ます。


長時間測定を行うことで、時間における放射線を感知した値が平均化されてくることで、
間違いが少ないであろう数値に近づいてきます。
信州放射能ラボ所有のゲルマニウム半導体検出器の検出効率は0.6%とおっしゃられておりました。
つまり、検体が放射線を1000回放出したら6回感知する感度という話です。
検体が1000gあると仮定しますと、1000秒間に6回感知すると1Bq/kgという話です。

当方所有のNaIによる3インチシンチでは、ざっと計算しますと2.5%程度のようです。
つまり、検体が放射線を1000回放出したら25回感知する感度のようです。
同じく検体が1000gあると仮定しますと、1000秒間に25回感知したら1Bq/kgという話ですね。
ただ、NaIは他の核種の影響もありますので減算するという手間が複雑です。

さて、ここでお問い合わせの内容ですが、
そのまま1L充填した場合と再粉砕して1Lマリネリ容器に充填した場合の違いは次の通りです。
1リットルマリネリ容器は凹の形をしております。
一番検出効率の良い個所は内側に面した部分となります。
粉砕前も粉砕後も、一番検出効率の良い部分にはもちろん充填されております。
粉砕することでその部分の密度もあがります。
ですが、一番充填されますのは空間のある部分です。
実は検出器から離れれば離れるほど効率が悪くなりますので、
充填率が上がれば効率が良い部分も悪い部分も密度が上がりますが、
一番充填される部分が、効率の悪い部分でもあったりしますので、
充填率を上げると測定した際、他の天然核種の影響も増え数値が下がるとともに、
粉砕前と粉砕後の測定の効率が実際は悪くなると推測される部分があります。

では、粉砕せずに充填すれば検出されやすいのかと言いますとそうでもなく。
充填率を上げますと検出する放射線の数は増えますので微量の汚染の場合は充填率を出来るだけ上げる方が良いと考えられます。


※※※※※※※※追記終わり※※※※※※※※※※※※





※2014年5月26日の測定結果です。
また、放射能測定での数値は絶対値ではありません。
機器や測定環境も左右する確率的な測定ですので、あくまでも参考値としてご活用ください。
この個体(このロット)を測定した結果はその母集団の数値を保障するものでありません。
今回の測定が検出なしでも、永続的な安心を保障するものでもありません。


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