育苗倍土（肥料）・栃木県（生産年不明）有限会社廣田商店

本日も、ご依頼のありました堆肥の測定結果についてです。
商品名は、「育苗倍土（肥料）」
産地は、「栃木県」
製造者及び販売者は、「有限会社廣田商店」

栃木県で生産された育苗倍土（肥料）となります。
土壌と同じく一度見ておきたいとのことからのご依頼でした。

それでは、測定結果です。

 （判定方法：スペクトルからのピーク）
セシウム134
605keV：○
796keV：○

セシウム137
662keV：○

カリウム40
1461keV：○

[ウラン系]
鉛214
242keV、295keV、352keV：○

ビスマス214
609keV：○
1120keV：○

[トリウム系]
鉛212
239keV：○

アクチニウム228
338keV：○
911keV、965keV：○

タリウム208
583keV：○
861keV：○

この度の測定結果では

天然核種
「カリウム40」
「鉛214」（ウラン系）（微量）
「ビスマス214」（ウラン系）（微量）
「鉛212」（トリウム系）
「アクチニウム228」（トリウム系）
「タリウム208」（トリウム系）

人工核種
「セシウム137」
「セシウム134」

の検出と判断いたします。
セシウム137及び134共にピークが確認できております。
したがってセシウム137及び134共に検出と判断させて頂きました。
ですが、天然核種として「カリウム40」以外に「トリウム系」と微量の「ウラン系」の核種が検出されております。
特に910keVあたりのトリウム系の核種によるコンプトン散乱等でセシウム134と137の領域が嵩上げされ、セシウム137及び134共に過大検出となっていると判断します。

なぜならば、福島第一原子力発電所の事故による影響と考える場合では、
現在ではセシウム137と134の比率は1：0.365となっております。

今回の結果では、9.94/10.9＝0.9119.....となっており、比率が合いません。
このことからも測定結果がおかしいのでは推測されます。
（※ただし新たな核分裂が起こり、それが放出されていた場合は除きます。
しかし、現在のいろいろな結果を拝見する限りではそのような事は起こってはいないことを申し添えておきます。）

ただ、比率はおかしいですが、セシウム137及び134共にピークは確認できますので、
存在していることは間違いないようです。
なお、セシウム137及び134のBq/kg数を今回の結果からもしも一番多く存在していた場合、どの程度なのかと仮定として算出しますと
セシウム134の値は＝10.9×0.365＝3.97
と計算され
セシウム137：10.9Bq/kg
セシウム134：3.97Bq/kg
となります。

以上の結果から、
地球上にある土壌では過去の大気圏内核実験やチェルノブイリ原発事故等で、
「セシウム137」については福島第一原子力発電所の事故前から日本中どの土壌からも5～10Bq/kgは検出されていてもおかしくはないとのデータがあります。
ですので、今回の肥料は使用されていたとしても、それほど気にされなくてもよいのではないかなと考えられます。
なお、心配のあるストロンチウム90についてですが、2013年8月の段階で陸地に拡散した量に限定した話では
セシウム（137+134）：ストロンチウム90＝1000：1
とのデータがあります。
従いまして、今回の結果から、ストロンチウム90については心配されるものではないと推測できます。

補足ですが、天然核種のウラン系やトリウム系については世界中の土壌にもともと存在しているものですし、多量に存在しているという結果でもないため問題はないものと思われます。

商品名：育苗倍土（肥料）

産地：栃木県

製造者：有限会社廣田商店
製造工場：有限会社廣田商店
販売者：有限会社廣田商店

生産年月：NO DATA

入手年月：2014年6月
賞味期限：NO DATA

ロットナンバー：NO DATA

測定時間：43200秒
重量：974.7g
測定容器：1Lマリネリ容器（全量充填）
解析精度：3σ
セシウム137：10.9±2.65Bq/kg（過大検出）
セシウム134：9.94±2.38Bq/kg（過大検出）
カリウム40：147±34.6Bq/kg

※２０１４年６月１４日の測定結果です。
また、放射能測定での数値は絶対値ではありません。
機器や測定環境も左右する確率的な測定ですので、あくまでも参考値としてご活用ください。
この個体（このロット）を測定した結果はその母集団の数値を保障するものでありません。
今回の測定が検出なしでも、永続的な安心を保障するものでもありません。
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