測定品名は、「茶炭(椚(くぬぎ))」
採取地は、「岩手県・福島県・栃木県産混合」
採取日は、「不明」
製造者及び販売者は、「非公開」
販売者から「国の基準をクリアした安全な茶炭です。」という回答を頂いたので
灰化してしまった茶炭を測定してみたいとの事からのご依頼でした。
茶炭とは、茶道の際に使用するものらしく、使用して出てきた灰はずっと残して使うそうです。
もしなにかしら検出されたら・・・安全だと思って使用していた茶道の方は?
知らないままでいいのかどうか、判断したいとの思いもあったようです。
なお、依頼者の方が所有しておられる「RADEX」という空間線量計で、
茶炭のままの状態で測ってみると、γ線もβ線も何も反応らしいものはなかったようです。
それでは、測定結果です。
測定結果及びスペクトルから判断した結果、
セシウム134及び137共に検出と判断しました。
(判定方法)
605keV、796keV、802keVにピークが確認できます。
662keVにも、ピークが確認できます。
この度の測定結果では・・・
天然核種
「カリウム40」
人工核種
「セシウム137」
「セシウム134」
の検出と判断します。
セシウム137と134が共にしっかりと検出されております。
なお、林野庁からの木炭の基準値は「280Bq/kg」となっているようです。
(現在もこの基準は変わっていないようです)
http://www.rinya.maff.go.jp/j/press/tokuyou/111102.html
この基準に照らし合わせますと、
今回ご依頼いただいた茶炭が、そのまま粉にしたものであれば
基準値越えとして当方から関係公的機関へ連絡させて頂きます。
申込書に記載のとおり、600gの炭を焼却して出たものが今回の炭27.5gでありましたら、
1kg中の炭の量に換算する必要があります。
今回の結果から、誤差はこの際考えないことといたしますと、
セシウム137が、1350Bq/kg
セシウム134が、521Bq/kg
合算で1350+521=1871Bq/kg
と考えることができます。
27.5g中には、1871×27.5/1000=51.4525Bq存在しています。
つまり600g中に51.4525Bqですので、炭の状態でkgに換算しますと、
51.4525×1000/600=85.7541...Bqです。
つまり85.75Bq/kgの茶炭(木炭)となりますので、基準値越えはしていないこととなります。
以下はご依頼者の方からの返信です。参考までに記載させていただきます。
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さて、このセット物の炭10kg 約200本の炉用の茶炭は7種類、大小取り混ぜ、組み合わせて燃やします。
大きさの異なる炭を作るために、異なる産地の物を取り混ぜていると思われます。
ですから、中に高線量の物が混ざっていることがおもしろくないです。
この炭の場合意図はないと思いますが、悪く言えば良い炭をまぜて線量を下げている。
と、言えなくもありません。
お茶人さんは、灰を捨てずにずっと使い続けますので、何とか高線量の物を抽出して
取り除こうと思っています。
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なお、今回は充填量が足りておりませんので、数値については参考値であることを申し添えておきます。
商品名:茶炭(椚(くぬぎ)):灰
産地:岩手県・福島県・栃木県産混合
製造者:非公開
販売者:非公開
採取年月:平成26年1月
賞味期限:NO DATA
ロットナンバー:NO DATA
測定時間:43200秒
重量:27.5g
測定容器:V-7容器(85ml)
解析精度:3σ
セシウム137:1350±289Bq/kg
セシウム134:521±117Bq/kg
カリウム40:3200±783Bq/kg
※2014年1月22日の測定結果です。
また、放射能測定での数値は絶対値ではありません。
機器や測定環境も左右する確率的な測定ですので、あくまでも参考値としてご活用ください。
この個体(このロット)を測定した結果はその母集団の数値を保障するものでありません。
今回の測定が検出なしでも、永続的な安心を保障するものでもありません。
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長時間測定を行うことによりノイズの平滑化を行い、計数を稼いでいます
ピークは有りそうなのに検出されていない場合等で、必要な際はゲルマニウム測定による確定が必要になります
その1:「おのみち -測定依頼所-」の測定室の環境について
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