本日も、ご依頼のありました検体の測定結果です。
検体名は、「土壌(客土混入・北側)」
採取地は、「沖縄県名護市」
約10m×25mの土地に深さ1m程度で土をいれた(客土)ところ、
それまで0.05μSv/h(点滅)以下しか示したことのなかったAIR COUNTER-Sが0.1μSv/h以上を示すようになった。(地上約1mの空間線量)
購入した客土は山土だと聞いていたこともあり何が原因だろうかと思い測定のご依頼がありました。
土壌測定は本来であれば「V-7容器(85ml)」での測定なのですが、
今回は「客土混入が隣地との空間線量の差の原因なのか?」をハッキリさせる必要があると判断しました。
従いまして、
→土壌のBq/kgの測定ではない
→その原因を突き止めたい
→少量でもセシウムが混入となったのか
上記3点から1Lマリネリ容器での測定とさせて頂きました。
ただし容量が500ml程度しかないため、出てきた数値に信頼性はほとんどありません。
しかし、近い数値になるのは確認しておりますので、おおざっぱな数値と思ってください。
とにかく有るのか、無いのか、その原因はなになのかと推測するための測定とさせて頂きました。
****※ご注意***************************************************
現在の土壌測定に必要な量は1Lとなります。
土壌測定には申込書だけではなく、土壌を採取する際に「野帳・伝票」も必要となります。
・野帳はA4版で、1地点に1枚必要です。採取する地点数分をコピー、印刷してお使いください。
・伝票はA4に4枚の伝票が1枚にまとまっています。必要枚数をコピー、印刷して、4つに切ってお使いください。
(伝票は、油性ペンでお書きください)
マニュアルと同時にダウンロード、印刷をお願いします。
「土壌採取マニュアル」と必要な「野帳(フィールドノート)・伝票(標本ラベル)」はこちらになります。
→<土壌採取マニュアルPDF>
→<野帳と伝票の用紙PDF>
・また、野帳と伝票の記入方法の説明書があります。こちらも印刷してご覧ください。
<野帳と伝票の書き方のPDF>
採取のポイントは以下になります。
○晴れが3日以上続いた日に採取を行う。
○空間線量計を用いて、大まかな線量を把握し、極端に線量が高いホットスポット(特異点)、
たとえば雨樋の下や側溝に溜まった土や苔などの特殊な地点ではない土壌を採取します。
○地表から深さ5cm、縦10cm、横20cmの直方体できっちりと採取します。
○GPS(緯度・経度)情報を記録し、あとから地図化できるようにします。
詳細はこちらになります。
→「土壌採取マニュアル」
http://www.minnanods.net/soil/samplingmanual.html
→「野帳・伝票」
http://www.minnanods.net/soil/yacho.html
ご不明な点がありましたら、どうぞお問い合わせください。
お問合せ先→ 「メール」onomichi_labo@yahoo.co.jp 又は 「お問合せフォーム」
*****************************************************************
それでは、測定結果です。
(判定方法:スペクトルからのピーク)
セシウム134
605keV:○
796keV:×
セシウム137
662keV:×
カリウム40
1461keV:○
[ウラン系]
鉛214
242keV、295keV、352keV:○
ビスマス214
609keV:○
1120keV:○
[トリウム系]
鉛212
239keV:○
アクチニウム228
338keV:○
911keV、965keV:○
タリウム208
583keV:○
861keV:○
[その他]
ベリリウム7
478keV:×
この度の測定結果では
天然核種
「カリウム40」
「鉛214」(ウラン系)(微量)
「ビスマス214」(ウラン系)(微量)
「鉛212」(トリウム系)
「アクチニウム228」(トリウム系)
「タリウム208」(トリウム系)
の検出と判断いたします。
セシウム137については、662keVにピークが全くと言っていいほど確認できません。
セシウム134については、605keVにはピークが確認できますが、796keVにはピークが確認できません。
結果としては、
セシウム137及びセシウム134共に不検出と判断しました。
カリウム40の他に天然核種としてトリウム系に加えて微量のウラン系が検出されております。
人工核種については、不検出とさせて頂きました。
なお、福島第一原子力発電所の事故以前の大気圏内核実験やチェルノブイリ原発事故の影響で
全国どの土壌からもセシウム137が5~10Bq/kgは検出されてもおかしくはない状況です。
今回の結果からは、セシウム137は不検出と判断しましたが0ということではなく、
少しは存在していてもおかしくはないことを申し添えておきます。
それでも1~2Bq/kg存在するかどうかだと思われます。
空間線量計の数値に差が出たことに対する推測ですが、
客土にはウラン系かトリウム系が含まれていたものと考えられます。
隣地の畑からウラン系の核種が検出されなければ、
客土には、ウラン系の核種とトリウム系の核種
隣地からも今回の結果と同量のウラン系の核種が検出されていれば
客土には
→トリウム系の核種
が含まれていたものと推測されます。
どちらにしても、天然にもともと存在するものですので問題はないものと考えられます。
品名:土壌(客土混入・北側)
採取地:沖縄県名護市
採取年月:2014年9月4日
入手年月:2014年9月4日
賞味期限:NO DATA
ロットナンバー:NO DATA
測定時間:43200秒
重量:645.6g
測定容器:1Lマリネリ容器(全量充填)
解析精度:3σ
セシウム137:<0.8Bq/kg(18.2±4.53Bq/kg:誤検出)
セシウム134:<0.6Bq/kg(32.2±7.26Bq/kg:誤検出)
カリウム40:798±171Bq/kg
※2014年9月13日の測定結果です。
また、放射能測定での数値は絶対値ではありません。
機器や測定環境も左右する確率的な測定ですので、あくまでも参考値としてご活用ください。
この個体(このロット)を測定した結果はその母集団の数値を保障するものでありません。
今回の測定が検出なしでも、永続的な安心を保障するものでもありません。
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