といった質問を受けることがあります。
ですので、本日は「空間線量計による「シーベルト(Sv)」」と「食品等測定による「ベクレル(Bq)」」について少しお話をしたいと思います。
シーベルト(Sv)とは
→全身が受ける放射線の量(実効線量)
→内部被ばくによって受ける放射線の量(預託実効線量)
→ある場所だけ放射線を受ける局所被ばくの量(等価線量)
の単位として用いられています。
どれも、被ばくした個人や組織におけるがん、遺伝性影響の発生リスクを考慮して表されている点は共通です。
*****参考************************************
「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料(平成25年度版)の掲載について(お知らせ)」
平成26年7月7日環境省総合環境政策局環境保健部放射線健康管理担当参事官室
http://www.env.go.jp/chemi/rhm/kisoshiryo-01.html
「1.1. 第1章 放射線の基礎知識と健康影響2/4 (p.41-74) [PDF 3,839KB]」(P41)
http://www.env.go.jp/chemi/rhm/kisoshiryo/attach/20140707mat1-01-2.pdf
*********************************************
以前公開しましたブログを参考に話をしていきたいと思います。
「土壌測定の検証(東京都・広島県) 」
http://onomichi-labo.blogspot.jp/2013/03/blog-post_21.html
どのγ線を拾って計測しているか分かりますので、そういった機器であれば一応参考にはなります。
一般的に、良く質問を受ける空間線量計ではそのような機器ではありません。
核種同定が出来る機器とは言っても、エネルギー分解が甘く周りに天然核種が多いと、出てきた値はよく分からない状況となります。
なお、当方の所有している空間線量計「PA-1000」は次のような使用になっております。
「環境放射線モニタ PA-1000 Radi(ラディ)」:仕様
http://www.horiba.com/jp/process-environmental/products-jp/environmental-radiation-monitor/details/pa-1000-environmental-radiation-monitor-radi-3124/
[仕様]------------------------------------------------------
検出方式:シンチレーション式
測定線種:γ線
感度:1μSv/hに対して毎分1000カウント(1000cpm)以上
相対指示誤差:±10%以内
指示値変動:変動係数 0.1以下
エネルギー範囲:150keV以上
エネルギー特性:0.5~3※1 (150keV~1250keV)
有効測定範囲及び表示:0.001~9.999μSv/h デジタル4桁表示(カウント数をμSv/h値に変換)
サンプリング時間:60秒
表示間隔:60秒の積算値(移動平均)を10秒毎に表示
外形寸法:68(W) × 28(D) × 121(H) mm
質量:175g以下(電池を除く)
付属品:取扱説明書、単3乾電池2本、ネックストラップ
※1 137Cs(662keV)に対する感度を1とした場合の相対感度
※本器は測定場所における放射線量の安全性や危険性を判定するものではありません
------------------------------------------------------------
細かいエネルギー毎のエネルギー特性の曲線があればわかりやすいのですが、そこまでの表示がされておりません。
また、セシウム137に対する感度を1としたときの場合の相対感度です。
なお、検出器部分に固体シンチレータ(CsI(Tl))を使用しておりますので、
エネルギーが低い150~600keVあたりは相対感度が高く出て、700~1250keVあたりは相対感度が低く出ると推測されます。
セシウム137のみを空間線量計で測った場合、1分間に1000カウントあれば1μSv/hと表示されます。
しかし、鉛214やビスマス214等があると実際のμSv/hよりも高く出て、カリウム40等があると、実際のμSv/hよりも低く出るという特性です。
(下図参照)
左の図が「東京都新宿区」:0.193μSv/h(堀場PA-1000にて地表0mを計測)
右の図が「広島県尾道市」:0.130μSv/h(堀場PA-1000にて地表0mを計測)
空間線量計では、
→A地点とB場地点を比べてみてA地点の方が数値が高い(低い)と出る
このことでは、危ないとか変わらないとか、判断するにはよほどの差がないと何も言えません。
→γ線を出しているものが何なのか。また、どの程度のものなのか
測定しているものが何なのか分からなければ判断のしようがありません。
空間線量計を使用する際のご参考になれば幸いです。
ベクレル(Bq)とは、
「1秒間に1回原子核が崩壊する」
ことです。
同じ1ベクレルでも核種によって出てくる「放射線の数」・「エネルギー」・「確率」が違います。
(参考:「アイソトープ手帳」より)
セシウム137の1ベクレルとは
γ線:85.1%(662keV)・5.8%(32.1keV)・1.3%(36.5keV)
β線:5.6%(1176keV)・94.4%(514keV)
セシウム134の1ベクレルとは
γ線:8.4%(563keV)・15.4%(569keV)・97.6%(605keV)・85.5%(796keV)・8.7%(802KeV)・3.0%(1345keV)
β線:27.3%(88.6keV)・2.51%(415keV)・70.2%(658keV)
食品の放射能濃度測定は、
→検出された放射線をエネルギー毎に分解
→測定器毎の検出効率から検出されたcpsに対するベクレル数に換算
→上記2点から出てきた値に、容器内の試料の総量からkgあたりのべクレル数を出す
ここまでして「Bq/kg」という値が出てきます。
ご参考になりましたら幸いです。
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