水遮蔽という言葉がありますが、水自体が放射線の遮蔽体として使われていることが知られております。
(原子力発電所の中でも「中性子」を遮蔽する目的でも使用されていますね。)
ではその水自体が、測定を行う際、どの程度「セシウム137」、「セシウム134」、「カリウム40」を遮蔽するのか。
本日は
「通常通り測定」→「その後加水して測定」
という測定をを2検体行った結果とその推察です。
お付き合いいただければ幸いです。
(原子力発電所の中でも「中性子」を遮蔽する目的でも使用されていますね。)
ではその水自体が、測定を行う際、どの程度「セシウム137」、「セシウム134」、「カリウム40」を遮蔽するのか。
本日は
「通常通り測定」→「その後加水して測定」
という測定をを2検体行った結果とその推察です。
お付き合いいただければ幸いです。
■加水実験その1
「玄米(千葉県)再測定」
測定時間:43200秒
重量:1004.1g
測定容器:1Lマリネリ容器(全量充填)
解析精度:3σ
セシウム137:1.16±0.513Bq/kg
セシウム134:0.437±0.374Bq/kg
カリウム40:54.9±14.8Bq/kg
測定時間:43200秒
重量:1392.7g
測定容器:1Lマリネリ容器(全量充填)
解析精度:3σ
セシウム137:0.856±0.372Bq/kg
セシウム134:<0.2Bq/kg
セシウム137:0.856±0.305Bq/kg
セシウム134:0.221±0.180Bq/kg
カリウム40:34.0±8.61Bq/kg
やはり水を吸って膨張して容器がパンパンに膨れており遮蔽体の蓋が壊れる可能性がありました。
再測定は不能です。
加水した水の量は388.6gです。
加水しなかった場合のgに直した場合の測定結果は
解析精度:3σ
セシウム137:1.19±0.516Bq/kg
セシウム134:<0.3Bq/kg
カリウム40:47.2±13.2Bq/kg
セシウム137:1.19±0.423Bq/kg
セシウム134:0.306±0.250Bq/kg
カリウム40:47.2±11.9Bq/kg
→玄米(1004.1g)
セシウム137:1.16±0.513Bq/kg
→加水玄米(1392.7g)
セシウム137:0.856±0.372Bq/kg
まず単純計算で
0.856/1.16=0.7379310...≒0.74
26%程検出した値が少なくなっております。
加水した量は388.6gです。
全体に占めるgでみますと
388.6/1392.7=0.279026...≒0.28
28%程が増えた水分となります。
※加水前と加水後のg数をみてみますと
1004.1/1392.7=0.720973...≒0.72
同様に28%が増えた量となります。
体積は変わらず、全体に占める重量の内28%程が増えた水となります。
結果としては、26%程度数値が下がっております。
これは単純に増えた水の量によってBq/kgの再計算をしたところ、
全体の放射線量は2%程度変わったかどうかという結果です。
理論値より2%程度数値が大きくなっておりますので水により遮蔽されたとは言えませんが、
誤差の範囲と推測されて終わってしまう形ではあります。
何度も測定してみて2%程度でも必ず値が小さくなるのであれば、
水遮蔽があると言える結果になるかなと思います。
今回は水遮蔽は全くと言っていいほど無く、逆に理論値より増えたという結果です。
現段階では、2%上下する値は誤差と言うほかはないと考えられます。
なお、参考までに加水して測定した結果を、加水しなかった場合の重量に修正した結果も添付してます。
(分かりにくくてすみません)
加水して1392.7gで測定した結果を1004.1gに修正した結果
セシウム137:1.19±0.516Bq/kg
セシウム137:1.16±0.513Bq/kg
ですので、
1.19/1.16=1.02586...≒1.03
約3%数値が上がったという結果ですね。
■加水実験その2
「米ぬか・炒(千葉県)」
測定時間:43200秒
重量:306.2g
測定容器:1Lマリネリ容器(全量充填)
解析精度:3σ
セシウム137:8.64±2.84Bq/kg
セシウム134:2.61±1.65Bq/kg
カリウム40:816±181Bq/kg
測定時間:43200秒
重量:737.8g
測定容器:1Lマリネリ容器(全量充填)
解析精度:3σ
セシウム137:3.61±1.18Bq/kg
セシウム134:1.13±0.692Bq/kg
カリウム40:327±72.8Bq/kg
→米ぬか・炒(306.2g)
セシウム137:8.64±2.84Bq/kg
→米ぬか・炒・加水(737.8g)
セシウム137:3.61±1.18Bq/kg
まず単純計算で
3.61/8.64=0.417824...≒0.42
58%程検出した値が少なくなっております。
加水した量は431.6gです。
全体に占めるgでみますと
431.6/737.8=0.58498...≒0.58
58%程が増えた水分となります。
※加水前と加水後のg数をみてみますと
306.2/737.8=0.415017...≒0.42
同様に58%が増えた量となります。
体積は変わらず、全体に占める重量の内58%程が増えた水となります。
結果としては、58%程度数値が下がっております。
これは単純に増えた水の量によってBq/kgの再計算をしたところ、
全体の放射線量はほぼ変わらなかったという結果です。
ほぼ理論値どおりの値となっており水により遮蔽されたとは言えないと判断できます。
参考までに加水して測定した結果を、加水しなかった場合の重量に修正した結果も添付しております。
(分かりにくいですがすみません)
加水して737.8gで測定した結果を306.2gに修正した結果
セシウム137:8.70±2.85Bq/kg
セシウム134:2.72±1.67Bq/kg
カリウム40:787±175Bq/kg
セシウム137:8.64±2.84Bq/kg
ですので、
8.70/8.64=1.0069444...≒1.01
約1%数値が上がったという結果となっております。
誤差の範囲であると判断できます。
(結論)
1.「セシウム137」・「セシウム134」・「カリウム40」の測定には水遮蔽の影響はほとんど無いものと推測される。
2.影響が有るのは「Bq/kg」に換算する際に水分の重量が影響してくること。
3.ただし、「空容器」と「水を充填した容器」とで比較した場合、スペクトルは明らかに小さくなることから水遮蔽の影響はある。
4.上記1~3により水を充填した容器で取得したBGで測定した場合、「セシウム137」、「セシウム134」、「カリウム40」が存在する場合、本来の値より高い値でBq/kgが算出される可能性が高い。
(補足)
実際に食べる量を計算して、摂取する総Bq数を把握する事が大事。
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3.ただし、「空容器」と「水を充填した容器」とで比較した場合、スペクトルは明らかに小さくなることから水遮蔽の影響はある。
4.上記1~3により水を充填した容器で取得したBGで測定した場合、「セシウム137」、「セシウム134」、「カリウム40」が存在する場合、本来の値より高い値でBq/kgが算出される可能性が高い。
(補足)
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