2013年6月18日火曜日

「おのみち -測定依頼所-」の測定室の環境について

当測定室は、依頼所を経由して食品等を測定しております。
一般公開は一切しておらず、場所は非公開にしているためです。
ですが、測定室の環境などを少しオンライン上でのみ公開してみたいと思います。

少しでも環境を整えてみようと考えていられる方、
これから自分で測定をしてみたいと考えておられる方等の参考になれば幸いです。


まず、測定室として改造しました部屋への入口ですが、






このように隣の部屋からの空気流入及び流出を少しでも防げるようにと、隙間テープを施しております。
急激な温度変化を防止することができますので、測定室内の空調が安定しやすくなります。

次に室温を安定させるために、外窓に対して、ガラスの断熱シート及びサッシ断熱テープを施しております。
常に、遮光カーテンは締めたままで、外からの光は全てシャットアウト。





晴れの日も雨の日も、この窓は一切空くことはございません。
また、窓からの冷気や暖気は窓枠下に設置した、冷気シャットパネルにより拡散させずに一度真下に集めます。







集まった冷気・暖気は、床下に設置したUSB扇風機3台で一気に上まで撹拌します。






上空に撹拌された空気は、エアコンによって再び部屋全体に。
これで部屋全体の気温を出来るだけ均一化しております。






エアコンの電気代は、夏場の今で一日動かして50円程度でしょうか。
一ヶ月2000円いくかどうかですね。
それにプラスして、パソコン、測定器、USB扇風機3台、冷蔵庫、プリンターの電気代が
一ヶ月の維持費となります。どれくらいかかるのでしょうね?
でも、この電気代の維持費より、測定器を常に測定精度高く維持していく方に神経を使っております。

→バックグラウンドチェックでおかしい数値が出ないか
→チューニングが綺麗にいくか
→測定結果は常に同じような結果になるか
→パソコンに異常は出ないか

測定器を購入する費用だけ考えて、「買える」「買えない」と判断してしまうと、
そのあと大変な思いをしてしまうことになります。
最悪、「この測定器つかえねー!!」とポイしてしまうことも??

実は購入してからの維持費はかかるのは知られているところですが、
測定を行うことについて、神経すり減らしてしまう事には、あまり気にされている方が少ない気がします。

お金を出して買ったら、次は測定室の環境整備を行い、
測定する技術を身につけ、そして、出てきたデータを読み取る知識も必要となってきます。

脱線してしまいましたね・・・
次に、部屋の照明です。
インバーター機器は、測定器の検出器にノイズを与えてしまいますので、
当測定室は白熱灯タイプですがLED照明に変えました。




続いて、チューニングや試験に使う、校正用検体及びコイン線源等の保管用として、
金庫を据え付けております。
金庫自体に、砂とコンクリートで覆われておりますので、少しでも外部被ばくを避けるための措置となっております。




最後に、遮蔽体自体、購入時のままですと少し遮蔽がやはり弱いので、遮蔽の強化です。
非電化のCSK-3iは横からの遮蔽は強いようですので、
弱点である真下と真上を強化しております。

実は、測定中に振動が加わってしまうと、測定が不安定になってしまいます。
また、遮蔽体の重さで床が抜けないように、措置を施す必要性もありました。
よって、まず真下には、防音マット2枚と鉛複合板(鉛厚2mm)によって、
床の補強、遮音及び遮蔽を強化しました。




次に遮蔽体の真下に鉛ブロックを設置。
200mm×100mm×50mmの鉛ブロックが2個
200mm×100mm×10mmの鉛ブロックが6個
サイズ:68φ×20mm / 重量0.8kgの丸鉛が4個
厚さ2mm程度の鉛板2枚
で真下の遮蔽を強化しております。





真上には
200mm×100mm×10mmの鉛ブロックを4個設置しました。



最後に遮蔽体の周りを、2ℓペットボトル等、計52本で取り囲み、遮蔽の完成です。
なお、箱で表すと、2ℓペットボトル6本入りで1箱ですから、約9箱ですね。




こういった状態で測定室の環境を整えて、おります。
掃除は、掃除機を使うと塵が舞い上がる危険性があるので、掃除機は使わず
コロコロローラーで人力でお掃除して、出来るだけ塵のない環境を維持しております。

あとは、チューニングしたり、あーでもないこーでもないと調べたり、
いろんな方に相談したり、勉強している毎日です。


最後まで読んでいただき感謝です。
測定のご依頼お待ちしております^^


なお、尾道市の給食について、市民の手によって測定を行える流れになってきております。
また詳しいこと等分かりましたら、ブログ等でお伝えしていきたいと思います。

5 件のコメント:

  1.  はじめまして。

     今日初めてこのサイトに出会い拝見させて頂きました。

     少しでも正確な測定値を測るために、なみなみならぬ努力をされている事に頭が下がります。

     私も最近人の親になって、特にこれから子供に食べさせる食品に気を使っていかないといけないと考えていたので、こういうサイトに巡り合えたのは非常に嬉しく思っております。


     この先もまだまだこういう状況は続いていくはずですから、ただ単に怖がるのではなく、少しでも安心出来る判断材料が出来ました。


     大変でしょうが、これからもがんばってください。

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    1. ありがとうございます^^
      事故以前と同じ程度の汚染(50年間の平均で、セシウム137が一日あたり約0.19Bqの摂取でした。)で
      食べさせることの出来る食品が見つかっていくのはとても喜ばしいことなのです。

      子どもに
      「お父さん、お母さんも同じ程度の汚染で育ってきたのよ。
      だからこの食品なら大丈夫、食べんさい。」

      こう言える事が、どれほど喜ばしいことか・・・

      今後ともよろしくお願いいたします。

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  2. SHIGEKAZU SUZUKI2015年1月31日 21:42

    このブログの掲載内容を読ませて頂き、測定に際して細心の注意を払われて事に当たられている事がひしひしと感じられました。
    私も、高槻市民放射能測定所で使われているIFKR-ZIPと同じ機種にて測定に当たっています。通常15時間測定を行う事が多いのですが、
    それでも、表示されるスペクトル画像や数値を誤認していたことに、念の為の再測定後に気付いたり、その日の気象条件の変化に基づくラドン由来と思われるビスマス214の影響の大きさに、再測定後にようやく気付いたりという状況があり、けっして安易な結論を出してはいけないな、と振り返ったりの日々であったりしております。

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    1. SHIGEKAZU SUZUKIさま

      コメント、ありがとうございます。
      仰るとおり安易な結論はNGであると考えております。
      どうしてそのような結果になったのか、その辺りをしっかり把握して判断する必要がありますね。

      原発事故後は多くの市民測定所が立ち上がり環境が整っておりますので、悩んだときは他の測定所にクロスチェックをお願いしてみたり等、
      検討してみるのも良いかなと思います。

      なお、現在の測定環境は若干変わって次のようになっておりますので、
      ご参考になれば幸いです。
      http://onomichi-labo.blogspot.jp/2014/12/20141211.html

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    2. SHIGEKAZU SUZUKI2015年2月11日 22:00

      返信が遅れてしまいました。
      こちらも遮蔽強化の必要性を実感し始めておりましたので参考にさせて頂きたいと思います。

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