2013年6月14日金曜日

「培養土」からの放射性セシウム検出のお知らせ(阪神・市民放射能測定所から 抜粋)

本日は、「阪神・市民放射能測定所」で情報公開されている、培養土についてのお話です。


「阪神・市民放射能測定所」はこちら
http://hanshinshs.blog.fc2.com/

その2013年5月測定結果一覧をご覧になって頂きたいと思います。
http://hanshinshs.blog.fc2.com/blog-entry-40.html

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2013年5月の測定結果一覧です。
ホームセンターで購入した培養土からセシウムが検出されました。
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とあります。
細かい説明はありませんが、
誰でも買えるホームセンターで購入した培養土から


セシウム137:70.6±19.7Bq/kg
セシウム134:36.3±10.8Bq/kg
カリウム40 :155.5±73.0Bq/kg

の検出があったという話です。
セシウム合算100Bq/kg程度ですね。

ではこれを使用して、野菜を作った場合、どうなるのか?
考察してみましょう。


[成果情報名]各種夏作野菜への土壌中の放射性セシウムの移行係数
http://www.naro.affrc.go.jp/disaster/files/radioactivity_p_r_11.pdf

によると、

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「2011年に栽培した夏作野菜15品目への放射性セシウムの移行係数は、0.0004~0.0055である。野菜類への移行は全般的に少なく、特に果菜類の係数は低い傾向にある。」


[成果の内容・特徴]
1.福島市内の淡色黒ボク土畑(Cs134+137 941~1698Bq/kg, pH6.3, 交換性加里93.6mg/100g, CEC 24.5me/100g)、または、腐植質黒ボク土畑(Cs134+137 872~1359Bq/kg, pH6.7, 交換性加里87.6mg/100g, CEC 30.2me/100g)において、2011年に栽培した夏作野菜15品目の可食部への放射性セシウムの移行係数(=野菜中の放射性セシウム濃度Bq/kg生重/土壌中の放射性セシウム濃度Bq/kg乾土、放射性セシウムはCs-134とCs-137の合計)は、0.0004~0.0055である(図1、表1)。

2.放射性セシウム濃度および移行係数は、葉菜類、いも・根菜類で比較的高く、果菜類で低い傾向にある。しかし、葉菜類でもネギでは低く、品目によってばらつきがある。放射性セシウム濃度は最も高いブロッコリーでも6.49Bq/kgで、野菜の暫定基準値より遙かに低い(図1)。
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との話です。
分かりにくいですね^^;
簡単に説明しますと、土壌の汚染値×移行係数で、収穫される作物がどれだけ汚染されるか分かります。

畑の土が仮に今回の培養土だけだったとすると、セシウムが約100Bq/kgとなります。
移行係数は、0.0004~0.0055ですから、
100×0.0004~0.0055=0.04~0.55Bq/kg
の作物が収穫されると推測されます。

今まで汚染の低かった西日本が、この培養土が出回ることで汚染されていくわけです。


農地や家庭菜園に使用される場合、使用される前に測定をしておくのが良いのかもしれません。
農地等に蒔いた後で、汚染がわかったとしても、農地に蒔いた堆肥、培養土は国では回収しません。
個人の責任で回収すると聞いております。

また、汚染は蒔いた土地にだけにとどまらず、雨風等で周囲に散らばっていきます。
作物のために良かれとしたことが、汚染されていた堆肥、培養土の場合
長く消えることのないセシウムに汚染されることになり、周囲へ撒き散らすこととなります。

一度だけであれば、周囲に撒き散らし薄まりますのでひどいことにはならないとは思いますが、何度も使用されるとどうなっていくか分かりません。
舞い上がると呼気による被曝も考えないといけないと思います。

未来のある子どもたちのためにも、ご注意ください。

3 件のコメント:

  1. 培養土のメーカーと用途が解れば良いのですが、と言うのも用途によってブレンドが様々なので汚染源が判りませんネ。

    また、[成果情報名]各種夏作野菜への土壌中の放射性セシウムの移行係数は、乾土換算で出されています。

    「阪神・市民放射能測定所」の物は水分が含まれた状態での放射能測定ですので、乾土換算されいませんので、単純に移行係数を当てはめると、ちょっと違った数値になります。

    乾土の定義は、水分量0%の様ですが、その状態を作るのは無理な様で、分析所によって『110℃で5時間』『200℃で12時間』など、いろいろなので想像で水分量0%を仮定しておられる様です。

    こちらでの、土の測定時は
    ・天日で乾燥させ
    ・フルイをかけて
    乾土に近い状態で、放射能測定をしています。

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    1. Oh!すばらしい企画 Aさま

      現状での公表はここまでです。
      汚染源は当方でも把握しておりません。
      土壌等を乾土の状態で測定することは手間暇がかかりますので、そこまでできておりません。
      今後の検討とさせてください。

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    2. 乾土を作るのは、金と機材と時間の無い私達にとっては、大変なことです。

      私の考えを書きますので、参考にして下さい。

      同じ汚染値の土で有ると仮定します。
      ①畑の土
      ②代掻き前の田んぼの土
      ③代掻き後の田んぼの土
      を、同量採取し、放射能測定をします。

      結果、水分量の少ない①畑の土が、高い値になります。
      そして、一番水分量の多い③代掻き後の田んぼの土が、低く出ます。

      同じ汚染値で有りながら、
      畑の土が汚染がひどくて、代掻きをしたら放射能が下がったと言う結論になってしまいます。

      これでは、事実と違った結論になってしまいますので、
      私は、出来るだけ乾土に近い形で測定をやりました。

      参考にして下さい。

      余談ですが、
      培養土は、鉢やプランターでの使用を前提に開発された商品です。



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