2013年3月21日木曜日

土壌測定の検証(東京都・広島県)

土壌測定を行うに当たり、ここ数日検証による測定を行ってきました。

結論としては、測定による確定までには至らないが、
ほぼ間違いのない結果を出すところまではいけると感じております。
といいますのも、土壌をサンプリングするのには、
ただ単に「土をかき集めて測定した。」というだけでは平均的なものにならず、
汚染の高いところ、低いところ、中間的なところ、どこを測定したのか分からないからです。

サンプリングの方法として、一例を信州放射能ラボさんと座間放射能測定室さんも紹介されていますので、
参考にURLを貼っておきます。
「信州放射能ラボ」
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/07/post-57b8.html

「座間放射能測定室」
http://blogs.yahoo.co.jp/zamasokutei/folder/385652.html

ここまでするには、とても大変ですし、
測定したいと思われている方が「どこまでのものを求めるか」で対応した方が良いのだろうと。
そう考えますと、平均的に採取できる方法を紹介したうえで、
あとは依頼者さんの意向にお任せして測定するのがベストかなと考えました。

平均的に採取する簡単な方法
1.測定したい土壌を、5点ほどビニール袋に採取する。各点で100mlぐらい。
範囲はこの度は問わない。
2.ビニール袋の中でしっかり混ぜ合せる。
3.そのまま依頼所に持ってきてもらう。
4.申込し受付して完了

測定時間は、原発事故以前の平均的な汚染でセシウム137が5~10Bq/kgありましたので、それを目安にします。
V-7容器(85ml)に一杯まで詰めて、重量も85g以上確保できましたら約10,000秒で5Bq/kgを切るまでは行けましたので、測定時間の目安は28800秒(8時間)でいこうと思っています。

また、続報が分かり次第ご連絡させていただきます。
参考までに測定結果をご紹介します。
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「新宿御苑付近の土」(東京都新宿区)
0.193μSv/h(堀場PA-1000にて地表0mを計測)

採取ポイント:表土2cm
採取量:87g
測定時間:1000秒

Cs137:644.8±180.4Bq/kg
Cs134:372.3±109.3Bq/kg
K40 :709.1±345.8Bq/kg
(総評)
人工核種としてセシウム137、セシウム134を検出した。
天然核種としてカリウム40を検出した。

 




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「墨田公園の土」(東京都台東区)
0.157μSv/h(堀場PA-1000にて地表0mを計測)
採取ポイント:表土2cm
採取量:92g
 測定時間:1000秒

Cs137:328.8±104.6Bq/kg
Cs134:228.3±73.7Bq/kg
K40 :502.9±281.1Bq/kg
(総評)
人工核種としてセシウム137、セシウム134を検出した。
天然核種としてカリウム40を検出した。
 





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「測定員の居住地近くの土(花壇)」(広島県尾道市)

採取ポイント:表土2cm
採取量:119g
測定時間:28800秒

Cs137:12.8±5.8Bq/kg(誤検出):662keVのピークなし
Cs134:26.8±8.3Bq/kg(誤検出):796keV、802keVのピークなし
 K40 :716.9±174.5Bq/kg
(総評)
天然核種としてウラン系、トリウム系とカリウム40を検出した。
(鉛214、ビスマス214有)



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「測定員の実家の土」(広島県尾道市)

採取ポイント:表土2cm
採取量:133g
測定時間:28800秒

Cs137:16.8±6.4Bq/kg(誤検出):662keVのピークなし
Cs134:32.5±9.3Bq/kg(誤検出):796keV、802keVのピークなし
 K40 :812.8±192.1Bq/kg
(総評)
天然核種としてウラン系、トリウム系とカリウム40を検出した。
(鉛214、ビスマス214有)

8 件のコメント:

  1. 関東在住です。いつもありがとうございます。

    今回のご報告、興味深く拝見しました。セシウムが「誤検出」ということは、尾道の土壌はセシウムフリーと考えてよいのでしょうか。もしそうなら、これはうれしい結果です。

    かたや東京は3ケタ台。この数値をどう評価すべきなのかよくわからないのですが、こちらでは、ときどき掃除機のチリから驚くような数値が検出されることもあり、今は食品よりも、舞い上がりによる吸引の方に、より注意を払うべきではないか、と思ったりしています。

    武田教授が以前、名古屋の自宅に帰ると玄関の数値が上がる、関東の放射能物質ががくつ・衣類などについた結果だと言うのをテレビで見ましたが、自分も実家に微量とはいえ、セシウムを持ち込んでいるのかと思うと、複雑な気分です。すでに何度も持ち込んでしまいましたが(笑)

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    1. 食品に注意する必要はまだまだあると思います。
      埃やちりについては、kg単位で考えた場合、どこまで吸い込むのだろうかと。
      その場合、主に肺に入りますね。
      食べるわけではないので、体に吸収され易い状況ではないと考えられます。
      しかし、注意するに越したことは無いと思います。

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    2. 書き込みありがとうございます。
      こちらからのコメントが、ちょっと分かりにくかったと思いますので、
      まとめて分かりやすくして再度コメントさせていただきますね。すみません。


      >セシウムが「誤検出」ということは、尾道の土壌はセシウムフリーと考えてよいのでしょうか

      とのお話ですが、結果から分かることはピークが見えないのでソフトウェアではじき出している数値は間違いで
      セシウムはそこまで「無いだろう」ということです。
      これはどういうことかと言いますと、天然核種のカリウムによる後方散乱で嵩上げされているのですが、
      嵩上げ分はソフトウェアでセシウムの定量に影響がないよう再計算されております。
      ですが、天然核種のビスマスはその再計算がされておりません。
      また、そのビスマス自体がセシウムのピークを見えなくさせている可能性が高いのです。
      なので微量なセシウムは、今回の測定結果からでは分かりません。
      また、どれだけ長時間測定をしたとしても判断できないです。
      これは、NaIシンチレーション式の測定器の限界で仕方のない部分でもあります。
      従って原発事故以前の汚染と同じくらいのセシウム137が、5〜10Bq/kgは有ると考えられます。



      >かたや東京は3ケタ台。
      >この数値をどう評価すべきなのかよくわからないのですが、こちらでは、
      >ときどき掃除機のチリから驚くような数値が検出されることもあり、
      >今は食品よりも、舞い上がりによる吸引の方に、より注意を払うべきではないか、
      >と思ったりしています。

      東京の3ケタ台は、いろいろと考えさせられる部分があります。
      そして、やはり食品には、まだまだ注意する必要はまだまだあると思います。
      埃やちりについては、kg単位で考えた場合、どこまで吸い込むのだろうかと考えます。
      その場合、主に肺に入りますね。
      食べるわけではないので、体に吸収され易い状況ではないと考えられますが、
      注意するに越したことは無いと思います。

      やはりどんな場所に住んでいようともお部屋にセシウムを持ち込まないようにするには、
      玄関前で埃をはたくなどするのが良いと思います^^。

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  2. 書き込みありがとうございます。
    尾道の土壌は、セシウムが無いかと言われましたが、結果から分かることはピークが見えないので無いだろうと。
    しかし天然核種のビスマスがピークを見えなくさせている可能性も高いので、微量な値はどれだけ長時間測定をしたとしても判断できません

    従って原発事故以前の汚染と同じくらいのセシウム137が、5〜10Bq/kgは有ると考えられます。

    やはりどんな場所に住んでいようともお部屋にセシウムを持ち込まないようにするには、玄関前で埃をはたくなどするのが良いと思います。

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  3. 土は専門で無いので、資料だけです。
    福島事故前、近々のものです。

    出典は、文部科学省

    土壌 0-5cm
    採取場所 広島市
    採取年月 平成22年7月
    検体数  1

    セシウム137 2.2Bq/Kg 乾土

    測定機器 ゲルマニウム半導体検出器

    ここまでが資料です。
     
     尾道が増えたか、どうかは測定機器の違いで分かりませんが、
    私が、15年前から測っている空間線量から見て増えていると思います。

     この年の他県のデータを見比べて、傾向として原発立地県は一桁高いです。

    東京都新宿区のデータです。
    条件は上と同じです。
    採取日 平成22年9月
    セシウム137 2.5Bq/Kg 乾土

    A
     




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    1. 空間線量から見て増えているとは言っても、
      その空間線量は何を測っているのかが問題であったりします。

      セシウムで増えたのであれば、2000Bq/kgぐらいの汚染ではないとわからないかもですよ。
      もし200~300Bq/kg程度であれば、広島県ならば誤差の範囲で線量が増えたかどうか判定できるものではないかなぁと思ったりしてます。
      天然ウラン系がありますので。

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  4. 測定員さま

    詳しいコメントありがとうございました。

    そうですね、総重量からみて、吸引がどうなのかという問題は
    あろうかと思います。
    ただ、私は肺が弱く、2年ほど前にやった重い気管支炎の後遺症が
    最近まで続いていたり、肺に影が見えると言われることがしばしば
    あったりするので(今のところ大丈夫なようですが)、放射性物質の
    肺への蓄積について敏感になっているところがあります。

    住んでいるところが郊外なもので、家の周囲を含め、むき出しの土地が
    いたるところにあり、風の日は舞い上がりもすごいので、ぞっとする
    ことがしばしばあります。最近では引っ越しも考えるようになりました。

    ところで、牛糞肥料の測定、これもありがとうございます。
    ひとまず安心しました。
    家庭果樹をやっている父には、東日本産の流通肥料は使わないよう
    厳命を下しておりました(笑)ところ、県北で作られた植物堆肥を
    使っていると言っていましたが…。
    うちでも自家製の堆肥を作っているので、おっしゃっていた通り、
    その中に微量でも汚染された材料が入らないように、気をつけたい
    ところです。

    長文失礼しました。

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    1. 関東在住さま

      私が東京に行った時は、かなりの強風で砂埃が舞ったりしておりました。
      四六時中、あのような環境であれば肺が弱い方にはつらいと思います。
      また、肺にセシウム等の放射性物質が入り込んだ場合、
      どの程度の影響が出てくるのかはっきりとは言えません。
      環境の良いところの方がお体には良いとは思いますが・・・

      牛糞肥料の測定ですが、まだ確定できる状況ではないので、
      1L容器でも測定を行います。
      とりあえずは、問題はなさげだとは思います。

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