本日は、ご依頼のありました土壌の測定結果についてです。
測定品名は、「庭の土(近所)」
採取地は、「北海道札幌市南区」
採取日は、「2013年10月31日」
自宅近辺の土はどうなのかと、のご依頼でした。
ただ、内容としては苔類が多いことと、
後日ご依頼者からお手紙を頂きました内容によると、
厳密には庭の土ではなく、近所にあります芸術の森施設内の土壌とのこと。
場所は屋内に設置してあるブロンズ彫刻の台座の周りわきの土壌で、
彫刻の頭上には樹木の枝、近くには沢、キノコ、コケ等じめじめした場所で、
ブロンズ像自体も他の場所と比較しても傷んできていたとの話でした。
それでは、測定結果です。
測定結果及びスペクトルから判断した結果、
セシウム134及び137共に検出と判断しました。
(判定方法)
605keV、796keV、802keVにピークが確認できます。
662keVにも、ピークが確認できます。
この度の測定結果では・・・
天然核種
「カリウム40」
「鉛214」(ウラン系)
「ビスマス214」(ウラン系)
「鉛212」(トリウム系)
「アクチニウム208」(トリウム系)
「タリウム228」(トリウム系)
人工核種
「セシウム137」(微量)
「セシウム134」(微量)
の検出と判断します。
この近所の土については、1品目の自宅の土と比べますと、苔類を含んだ土と言っても良い感じとなっておりました。
苔類はセシウムを濃縮して保持することが、他の市民測定所の測定結果からも確認されております。
また、算出された放射能濃度ですが、天然核種の影響を受けて実際の値より高い結果となっているようです。
総括としまして、苔類を含んだ近所の土からのみセシウム137及び134のピークがごくわずかですが確認できたと判断しております。
本当にごくわずかではありますが、福島第一原子力発電所の事故による汚染があったのではと考えられます。
ですが、苔類はセシウムを濃縮しやすいことと、天然核種の影響で放射能濃度の値が高く出てしまっていることを勘案する必要があろうかと思われます。
2つの測定結果から勘案しますと、次の3点が分かるのではと考えます。
1.自宅の土の結果から判断しますと、実際の汚染は原発事故以前とほとんど変わらない
2.苔類を含んだ近所の土からのみセシウム137のみならず、134もごくわずか検出されていることから、
福島第一原子力発電所の事故によって多少の汚染はされている
3.汚染はされているけれども、その汚染の度合いはとても低く、天然核種も豊富なため、
実際のセシウム137及び134の放射能濃度を確定する必要があるのであれば、ゲルマニウム半導体測定器による測定が必要
と考えます。
商品名:庭の土(近所)
産地:北海道札幌市南区
製造者:北海道札幌市南区
販売者:北海道札幌市南区
生産年月:平成25年10月31日
賞味期限:NO DATA
ロットナンバー:NO DATA
測定時間:43200秒
重量:121.4g
測定容器:V-7容器(85ml)
解析精度:3σ
セシウム137:9.15±4.30Bq/kg
セシウム134:6.86±3.50Bq/kg
カリウム40:127±45.3Bq/kg
※今年の11月9日の測定結果です。
また、放射能測定での数値は絶対値ではありません。
機器や測定環境も左右する確率的な測定ですので、あくまでも参考値としてご活用ください。
この個体(このロット)を測定した結果はその母集団の数値を保障するものでありません。
今回の測定が検出なしでも、永続的な安心を保障するものでもありません。
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