測定品名は、「庭の土」
採取地は、「大阪府高石市」
採取日は、2013年1月30日及び9月10日です。
岩手県の震災瓦礫の「焼却前」と「焼却後」の土壌の測定です。
庭の土について、瓦礫焼却の影響を受けたのかどうか見てみたいとのことからご依頼でした。
なお、大阪府で土壌の測定を
「みんなの測定所ふじみーる」さんでは、次のように測定した結果をまとめておられます。
参考になりますので、ご紹介しておきます。
出たり出なかったり、出る場所も出やすい場所であったり、
震災瓦礫の影響なのか、それとも原発事故の影響なのか。
なお、NaIシンチでの測定であると、天然核種の影響を受けやすいですので、
そのあたりの検証もされておられます。
<大阪市瓦礫焼却の検証 1>「此花区JR西九条駅から西100M、JR高架下側溝 」セシウム合計62.5Bq/Kg検出
<大阪市瓦礫焼却の検証 2>ゲルマの結果。「此花区JR高架下側溝 」セシウム合計62.5Bq/Kg検出
<大阪市瓦礫焼却の検証 3>「大阪府大阪市此花区四貫島1丁目2-2グランアッシュ此花 公開空地 土壌」
<大阪市瓦礫焼却の検証 4>「大阪府大阪市此花区梅香3丁目3 梅香公園 土壌」
<大阪市瓦礫焼却の検証 5>「大阪府大阪市此花区梅香3丁目9 側溝汚泥」
<大阪市瓦礫焼却の検証 6>「大阪市福島区鷲州 近辺の公園周辺道路 「路傍の土」」
<大阪市瓦礫焼却の検証 7>「和歌山県紀の川市 庭土」
<大阪市瓦礫焼却の検証 8>「和歌山県紀の川市 側溝の土」
<大阪市瓦礫焼却の検証 9>「大阪府大阪市此花区北港白津 大阪市環境局舞洲工場入り口 側溝」
それでは、測定結果です。
測定結果及びスペクトルから判断した結果、
焼却前の土も焼却後の土も、セシウム134及び137は共に不検出と判断しました。
「焼却前」
(判定方法)
600keV近辺にしっかりとしたピークが確認できますが、796keV、802keVにピークは確認できません。
662keVにも、ピークは確認できません。
この度の測定結果では・・・
天然核種
「カリウム40」
「鉛212」(トリウム系)
「アクチニウム228」(トリウム系)
「タリウム208」(トリウム系)
の検出との結果となりました。
セシウム137及び134については、ピークが確認できませんので誤検出と判断させていただきました。
商品名:庭土・岩手瓦礫焼却前
産地:大阪府
製造者:不明
販売者:不明
生産年月:平成25年1月30日
賞味期限:NO DATA
ロットナンバー:NO DATA
測定時間:43200秒
重量:121.3g
測定容器:V-7容器(85ml)
解析精度:3σ
セシウム137:9.27±4.43Bq/kg(誤検出)(<4.4Bq/kg)
セシウム134:7.53±3.72Bq/kg(誤検出)(<3.7Bq/kg)
カリウム40:360±93.9Bq/kg
測定時間:43200秒
重量:121.3g
測定容器:V-7容器(85ml)
解析精度:3σ
セシウム137:9.27±4.43Bq/kg(誤検出)(<4.4Bq/kg)
セシウム134:7.53±3.72Bq/kg(誤検出)(<3.7Bq/kg)
カリウム40:360±93.9Bq/kg
「焼却後」
(判定方法)
600keV近辺にしっかりとしたピークが確認できますが、796keV、802keVにピークは確認できません。
662keVにも、ピークは確認できません。
この度の測定結果では・・・
天然核種
「カリウム40」
「鉛212」(トリウム系)
「アクチニウム228」(トリウム系)
「タリウム208」(トリウム系)
の検出との結果となりました。
セシウム137及び134については、ピークが確認できませんので誤検出と判断させていただきました。
商品名:庭土・岩手瓦礫焼却後
産地:大阪府
製造者:不明
販売者:不明
生産年月:平成25年9月10日
賞味期限:NO DATA
ロットナンバー:NO DATA
測定時間:43200秒
重量:102.3g
測定容器:V-7容器(85ml)
解析精度:3σ
セシウム137:12.6±5.56Bq/kg(誤検出)(<5.5Bq/kg)
セシウム134:8.44±4.30Bq/kg(誤検出)(<4.2Bq/kg)
カリウム40:399±106Bq/kg
測定時間:43200秒
重量:102.3g
測定容器:V-7容器(85ml)
解析精度:3σ
セシウム137:12.6±5.56Bq/kg(誤検出)(<5.5Bq/kg)
セシウム134:8.44±4.30Bq/kg(誤検出)(<4.2Bq/kg)
カリウム40:399±106Bq/kg
焼却前も焼却後も、セシウム137及び134については、ピークが確認できませんので共に誤検出と判断させていただきました。
岩手瓦礫焼却前と焼却後の測定結果を見比べてみて、当方の見解を述べさせていただきます。
共に誤検出とはいえ、焼却後のデータのほうがセシウム137及び134の値が高くなっております。
これは、瓦礫焼却の影響なのでは?と考えてみましたが、共にセシウムのピークは確認できません。
では、なぜ値に差が出てしまっているのか。
それは、同じ場所で採取されたとしても、定量に影響するエネルギー範囲に存在している天然核種が、採取時期により異なっているためであると考えられます。
半減期の長い天然核種は地球上に一定程度存在しておりますが、その量は常に変動しております。
(風による運ばれてくるとか、降雨により流されてくる等)
そのため、同じ採取場所だとしてもまったく同じ値が出るとは限りません。
なお、大気圏内核実験等で日本の土壌には、平均でセシウム137が5~10Bq/kgの汚染があることが確認されております。
したがいまして、今回はピークが確認できませんので誤検出とはしましたが、ある程度は存在する可能性がありますことを申し添えておきます。
※今年の9月21日の測定結果です。
また、放射能測定での数値は絶対値ではありません。
機器や測定環境も左右する確率的な測定ですので、あくまでも参考値としてご活用ください。
この個体(このロット)を測定した結果はその母集団の数値を保障するものでありません。
今回の測定が検出なしでも、永続的な安心を保障するものでもありません。
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