食品名は、「米ぬか」
産地は、生産地として「沖縄県うるま市」
製造者は、「非公開」
販売者は、「なかゆくい市場」
今回の米ぬかを測定して、結果を公表することとなったキッカケは、
ツイッターで「黒猫」様から
「別ロットになりますが市民測定所でも測定してみませんか?」との投げかけがあり、
今回の沖縄県で販売されていた米ぬかをご提供いただいたことからです。
「黒猫」様の今回の米ぬかに係るツイッターまとめはこちら
↓
「沖縄の農産物直売所で売られていた米糠からセシウム検出」
http://togetter.com/li/713886
上記まとめからの情報ですが、
七銘柄の米を扱っており、今回販売された米糠はこれらを精米したもの
米の産地は福島、愛媛、熊本、岩手、沖縄で、福島が最も多く約五割で年間300t
米の検査が福島で行われているので、米糠の検査はしていない
福島の米は震災前からこの位の扱いがあり、特に増えた訳ではない
「米穀の生産と流通に関する資料(平成26年3月)福島県農林水産部 農産物流通課」
の4ページ目にある表を見ますと、
福島県産米の流通量の多い順に
1・東京、2・兵庫、3・沖縄、4・大阪で沖縄は3番目とのこと
また、今回の米ぬかについて、当方からも「なかゆくい市場」様に問い合わせをさせて頂きまして、
次のように回答を頂きましたのでご紹介いたします。
*********************************************************
※(2014年9月11日7:30に当方からの問い合わせした内容を追記しました。)
なかゆくい市場 御中
いつもお世話になっております。
広島県尾道市で放射能測定をしております「おのみち -測定依頼所-」の測定員の杉原です。
この度お問い合わせをさせて頂きましたのは、
なかゆくい市場さんで販売されていた米糠についてお伺いしたいことがあるためです。
と言いますのは、一般の方から「沖縄県うるま市」を生産地とした「米糠」の
持込みがありまして、測定をさせて頂いたところ、
福島第一原子力発電所由来の放射能が検出されたと判断できる測定結果となったため
本当に「沖縄県うるま市」を生産地とした米の米糠であるのか、お伺いしたかったためです。
当方は、測定結果を原則すべて公表をしており、その公表に当たって
測定結果から考えられることを全て記載しての公表となっております。
ですので、今回の結果からは詳しくお伺いしておかないと風評被害のことも考えられますので
お問い合わせをさせて頂いた次第です。
当方で測定しました結果については、下記に記載するとともに参考までに添付しておきます。
重量:568.7g
測定容器:1Lマリネリ容器(全量充填)
解析精度:2σ
測定時間:43200秒(12時間)
セシウム137:2.02±0.798Bq/kg
セシウム134:0.756±0.573Bq/kg
カリウム40:502±110Bq/kg
解析精度:3σ
測定時間:64800秒(18時間)
セシウム137:2.00±0.905Bq/kg
セシウム134:0.732±0.687Bq/kg
カリウム40:500±109Bq/kg
セシウム137 とセシウム134 は、原発事故で放出された量はほぼ同量と言われています。
核種の半減期の違いにより、平成26年8月現在では、セシウム137 とセシウム134 は、
「1:0.345」の割合で存在すると言われております。
これに18時間測定の結果をあてはめますと、
「セシウム137:セシウム134=2.00:2.00×0.345=2.00:0.69」
となり、ほぼ理論値に近い値での結果となっております。
お忙しい中お手数をおかけして申し訳ありませんが、
米糠の産地について詳しく教えて頂きたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
おのみち -測定依頼所-
杉原
******************************
>ご報告を頂き、あってはならない事に驚きを隠せません。
>今回の件について、弊社でも仕入れルートを調査しました。
>
>まず、ご指摘の米糠は、持込み商品であり、弊社で精米はしておりません。
>納品者に確認しましたところ、県内のJAファーマーズで
>精米された米糠を詰めて持ちこんだ商品だとのことです。
>御社よりのご指導を頂き、売り場より全商品(米糠)は引き取り頂きました。
>
>本日、本件に関し読者より問い合わせがあったとのことで、
>地元琉球新報社の記者が来店し聞取りをされました。
>上記同様、説明を行いました。
>
>弊市場は、開業以来「安心、安全、新鮮市場」を合言葉に市場づくりを継続してまいりました。
>10年間地元の農家様と地域の皆様に支えられ、村の市場として育てて頂きました。
>
>今回の件で誤解が重なり、風評被害にならない事を願います。
また追記で
>◎弊市場には、精米機は開業以来ありません!
>◎他から米を精米しての販売はしておりません!
>
>なかゆくい市場
>店長 Y
******************************
と頂きました。
「なかゆくい市場」様のページ
http://onnanoeki.com/
また、琉球新報社の記者の方からも電話にて当方にお問合せも頂きました。
さて・・・今回の米ぬかのことで、今後懸念されることは
1.今後は原料原産地表記をしっかり表記の上販売されるのか
2.納品者が引き取った米ぬかの行先はどこなのか
3.今後は米ぬかを販売用ではなく農業用資材として使用される可能性はあるのか
(例:シイタケ栽培の菌床、家畜の肥糧等)
等です。
なお、黒猫様より精度チェックを目的として本米ぬかを各測定所でも測定したい場合は、今回の米ぬかをお渡ししても大丈夫と伺っております。
ですので、9月上旬にゲルマニウム半導体検出器にてクロスチェックを行う予定です。
今回、当方では本米糠を用いて長時間測定を各時間毎に追って測定し結果を出してみました。
測定機について、今後測定を行う際の目安となると考えましたので情報提供させて頂きます。
商品名:米ぬか
産地:生産地として「沖縄県うるま市」
製造者:非公開
製造工場:非公開
販売者:なかゆくい市場
生産年月:2013年産米と推測
入手年月:2014年8月
賞味期限:NO DATA
ロットナンバー:NO DATA
重量:568.7g
測定容器:1Lマリネリ容器(全量充填)
○測定時間
10800秒(3時間)
37200秒(10時間20分)
43200秒(12時間)
64800秒(18時間)
86400秒(24時間)
95400秒(26時間30分)
129600秒(36時間)
158400秒(44時間)
の結果を提供いたします。
(※158400秒測定したらソフトがフリーズしてしまったので、あえなくそこまでの測定となってしまいました。)
当方のBGの測定時間は24時間ですので、24時間を超える測定は不安要素があり、
測定値もBGの24時間を超えれば超える程不安定になっていくのではと推測しております。
測定時間:10800秒(3時間)
解析精度:1σ
セシウム137:2.95±0.959Bq/kg
セシウム134:0.675±0.526Bq/kg
カリウム40:508±108Bq/kg
測定時間:10800秒(3時間)
解析精度:3σ
セシウム137:2.95±1.70Bq/kg
セシウム134:<1.2Bq/kg
カリウム40:508±121Bq/kg
測定時間:37200秒(10時間20分)
解析精度:2σ
セシウム137:2.00±0.819Bq/kg
セシウム134:0.760±0.601Bq/kg
カリウム40:503±108Bq/kg
測定時間:37200秒(10時間20分)
解析精度:3σ
セシウム137:2.00±1.03Bq/kg
セシウム134:<0.7Bq/kg
カリウム40:503±111Bq/kg
測定時間:43200秒(12時間)
解析精度:2σ
セシウム137:2.02±0.798Bq/kg
セシウム134:0.756±0.573Bq/kg
カリウム40:502±107Bq/kg
測定時間:43200秒(12時間)
解析精度:3σ
セシウム137:2.02±0.995Bq/kg
セシウム134:<0.6Bq/kg
カリウム40:502±110Bq/kg
測定時間:64800秒(18時間)
解析精度:3σ
セシウム137:2.00±0.905Bq/kg
セシウム134:0.732±0.687Bq/kg
カリウム40:500±109Bq/kg
測定時間:86400秒(24時間)
解析精度:3σ
セシウム137:2.00±0.855Bq/kg
セシウム134:0.744±0.636Bq/kg
カリウム40:498±107Bq/kg
測定時間:95400秒(26時間30分)
解析精度:3σ
セシウム137:2.01±0.842Bq/kg
セシウム134:0.678±0.607Bq/kg
カリウム40:499±107Bq/kg
測定時間:129600秒(36時間)
解析精度:3σ
セシウム137:1.96±0.793Bq/kg
セシウム134:0.780±0.584Bq/kg
カリウム40:496±106Bq/kg
測定時間:158400秒(44時間)
解析精度:3σ
セシウム137:1.87±0.751Bq/kg
セシウム134:0.776±0.560Bq/kg
カリウム40:497±105Bq/kg
測定結果の数値から、3時間測定ではやはり不安定で数値も高めになっております。
また、36時間を超えたあたりからも不安定になってきております。(BGは24時間のためと考えられる部分)
Bi214やK40といった天然核種を含んでいることや、そのコンプトン散乱も有り安定しないためと考えられます。
また、測定結果のスペクトルから存在する核種を推測しますと、
セシウム134
605keV:○
796keV:○
セシウム137
662keV:○
カリウム40
1461keV:○
[ウラン系]
鉛214
242keV、295keV、352keV:×
ビスマス214
609keV:○
1120keV:○
[トリウム系]
鉛212
239keV:×
アクチニウム228
338keV:×
911keV、965keV:×
タリウム208
583keV:×
861keV:×
と判定しまして、
天然核種
「カリウム40」
「ビスマス214」
人工核種
「セシウム137」
「セシウム134」
の検出と判断いたします。
セシウム137については、662keVにピークが確認できます。
セシウム134については、605keV、796keV共にピークが確認できます。
したがってセシウム137及び134共に検出と判断しました。
また、測定結果から、カリウム40の他に天然核種としてウラン系のビスマス214が検出となってはいますが、
微量であるため問題になるものではないものと推測されます。
なお、セシウム134が検出されておりますので、福島第一原子力発電所の事故によるものかどうかの判定も行いました。
事故当初の放出量と半減期の違いから、2014年8月の段階ではセシウム137とセシウム134の存在比は、
セシウム137:セシウム134=1:0.345
と推測されます。
今回の3σによる結果では、セシウム134の値を18時間測定で初めて数値をはじいておりますので、その値を用いますと、
セシウム137:2.00±0.905Bq/kg
セシウム134:0.732±0.687Bq/kg
となっております。±は考えない前提としますと
セシウム137:セシウム134=2.00:0.732=1.00:0.366
となり、概ね1:0.345となっており、福島第一原子力発電所の事故による影響と判断して差し支えないものと考えられます。
※2014年8月29日~31日にかけた測定結果です。
また、放射能測定での数値は絶対値ではありません。
機器や測定環境も左右する確率的な測定ですので、あくまでも参考値としてご活用ください。
この個体(このロット)を測定した結果はその母集団の数値を保障するものでありません。
今回の測定が検出なしでも、永続的な安心を保障するものでもありません。
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また、放射能測定での数値は絶対値ではありません。
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この個体(このロット)を測定した結果はその母集団の数値を保障するものでありません。
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・長時間測定を可能にするために、測定室の環境整備を行っています
長時間測定を行うことによりノイズの平滑化を行い、計数を稼いでいます
ピークは有りそうなのに検出されていない場合等では、必要な際はゲルマニウム測定による確定が必要になります
その1:「おのみち -測定依頼所-」の測定室の環境について
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